研究課題/領域番号 |
19K11845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小林 正弘 東海大学, 理学部, 准教授 (90609356)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 反射型ランダムウォーク / 待ち行列理論 / 確率論 / 定常分布 / 定常解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ランダムウォークを非負値に制限を加えた確率過程を反射型ランダムウォークと呼ぶ。本研究では3次元以上の反射型ランダムウォークに対して,定常分布の特性を求める。1次元,2次元の反射型ランダムウォークの定常分布の特性について,多くの理論的結果があるが,3次元以上の反射型ランダムウォークの定常分布に対してはほとんど結果が存在しない。そこで,2次元までの結果を3次元以上の反射型ランダムウォークに拡張できるかどうか検証し,その証明を行う。
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研究実績の概要 |
多次元反射型ランダムウォークとは,多次元ランダムウォークの推移を非負整数値に限定した確率過程であり,待ち行列ネットワークなど多数の応用が存在する.特に待ち行列理論において,待ち行列モデルの性能評価を行う際に,平均待ち時間や平均系内人数などを定量的に求めることにより,通信ネットワークなど実際のシステムの設計や運用に役立てることができる.その中で,待ち行列モデルを確率過程で表現し,その確率過程の極限分布や定常分布を求めることができれば,待ち行列モデルの平均待ち時間や平均系内人数などを求めることができ,システム設計への応用が可能である.つまり,定常分布を理論的に求めることが非常に重要となる. しかし,待ち行列モデルにおける確率過程に対して,多くの場合について定常分布が解析表現を持たないことが知られている.一方,定常分布の解析表現が求まらないモデルに対して,定常分布の存在条件や解析的表現を持つ十分条件,漸近的な特性,元のモデルを拡散近似したもとでの定常分布等を求めることができれば,対象モデルの極限がどのような振る舞いをするか,挙動を理解するための一つの目安となる.本研究では,システムの安全設計のために,多次元反射型ランダムウォークの定常分布に関する解析を理論的に行う研究である. 多次元反射型確率過程の定常分布の解析において,研究は盛んに行われており,定常分布の存在条件や漸近解析など理論的な結果も導出されている.しかし,2次元を仮定している場合がほとんどであり,3次元以上の反射型確率過程の定常分布に関する理論的な結果はほとんどない.本研究を行うことによって,確率過程の定常分布の解析的証明という意味で,理論的な側面についても進展することが期待される.また,応用面ではネットワークの遅延や混雑の解析に役立てることが可能である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多次元の反射型ランダムウォークの定常分布の存在性とlight tailである十分条件について,論文を執筆予定であったが,まだ完成には至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
多次元反射型ランダムウォークについて,定常分布の存在性とlight tailである十分条件に関する論文を発表したいと考えている.また,上下の動きが拡張された反射型確率過程に対して,拡散近似による定常分布の解析を行う予定です.
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