研究課題/領域番号 |
19K11850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
赤平 昌文 筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (70017424)
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研究分担者 |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
小池 健一 日本大学, 商学部, 教授 (90260471)
矢田 和善 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90585803)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 切断指数型分布族 / 切断分布族 / 局外母数 / 切断母数 / 最尤推定量 / ベイズ推定量 / 漸近損失 / 中央値不偏推定量 / 指数型分布族 / 集中確率 / 有効推定量 / パレート分布 / 2次の漸近平均 / 2次の漸近分散 / 2次の漸近損失 / 切断t分布 |
研究開始時の研究の概要 |
正則な面を部分的にもつ広義の非正則モデルにおいてベイズ推定量と最尤推定量の高次の漸近的比較を行うとともに、ベイズ的推測の最尤推測との対比構造の解明を目指して、機械学習、AI等の統計学的基礎を構築することである。従来、正則な場合にはベイズ推定量と最尤推定量は偏り補正後には高次のオーダーまで漸近的に同等であることが知られているが、正則な面を部分的にもつ広義の非正則モデルにおいては、ベイズ推定量が最尤推定量より高次のオーダーでは漸近的に良くなる可能性があると予想される。この予想の解決を目指して種々の研究を行う。これが解決されれば機械学習、AI等の理論的根拠を与えるものとなる。
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研究実績の概要 |
統計学の応用分野においてパレート(Pareto)分布は重要な役割を果す. 実際, 経済学, 物理学, 水文学, 地質学, 天文学等の分野において用いられている。一方、理論的観点から正則な面を部分的にもつ広義の非正則モデルは、特に非正則な面が既知の場合には正則モデルになり、また、正則な面が既知の場合には非正則モデルになるので、正則と非正則の双方をつなぐモデルとして重要である。そして、そのモデルの典型としてパレート分布を含む切断指数型分布族のモデルが考えられるが、切断母数γと局外母数θをもつ切断分布族において分布族を切断指数型に制約することが本質的なのかという問題も生ずる。 今年度は、局外母数θと切断母数γをもつ一般の下側切断分布族において, θが既知または未知の場合にγのベイズ推定量の確率展開を求め, θが既知のときのγのベイズ推定量に対するθが未知のときのγのベイズ推定量の2次の漸近損失を、2次の漸近分散の差として求めた。その際、未知の母数θをθの最尤推定量で代用した。また、下側切断分布族の場合の結果は下側切断指数型分布族の場合を系として含み 基本的な構造は変わらないことを示し、例として切断コーシー分布の場合を挙げた。従って切断分布族を指数型に限定する必要がないことが示されたので、本成果によってt分布を含む広範囲の分布によるモデルの構造が明確化されたとともに適用可能な応用範囲も広くなった。また、切断指数型に制限することが本質的でないことも明きらかにになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来、切断指数型分布族の切断母数の推定について考えたが、もっと一般の切断分布族の場合にベイズ推定について一定の結果を得ることができた。実際、切断指数型分布族に属さない切断コーシー分布の場合に適用可能になった。また、最尤推定とベイズ推定の差異を偏り補正の観点から明確にした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度になるので、これまでの研究成果をまとめるとともに、一般の切断分布族における母数の推定についてベイズ法と最尤法の特長を重視してそれらの相違について検討する。
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