研究課題/領域番号 |
19K11859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 惠行 大阪大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (60216869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 統計学史 / 数理統計学 / 科学技術研究 / 統計的品質管理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本における数理統計学の導入・浸透・定着を、数学や統計学だけでなく、生物学、工学、心理学などの応用分野への普及の実態を通じて、その動的プロセスを文献資料と関係者の証言から構成し、明らかにすることを目的としている。(数理)統計学は他の諸科学に比べると、比較的新しい学問分野であるため、その発展過程に対する歴史的考察は極めて少ない上に、欧米に比べても日本の研究は遅れている。そのため、本研究では文献資料の散逸が進む前に、事実関係の一定の集約を行い、関係者の証言を加えて、日本における数理統計学の導入と発展の整理的記録の作成を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本における数理統計学の導入・浸透・定着を、数学や統計学だけでなく、生物学、工学、心理学などの応用分野への普及の実態を通じて、その動的プロセスを文献資料と関係者の証言から構成し、明らかにすることを目的としている。具体的には科研費基盤(C)助成研究(平成24~27年度)「日本における数理統計学の受容と関連諸分野への波及」の補完・拡充を、[a] 教育機関のカリキュラムの考察、[b] 啓蒙書の考察、[c] 各種技術普及団体の考察、[d] 統計学者・統計家へのインタビュー調査の4研究によって行うものである。 2023年度においては、以下の研究を行った。[a] 戦中から戦後にかけての高等教育における統計学のカリキュラムに注目し、GHQ指示により新制大学の自然科学系一般教育科目として設置された統計学のカリキュラムの成立背景について、海外大学の統計学カリキュラムや国際学会における統計学教育に関する報告を含めた国内外の文献調査を試みた。また、前年度までの研究成果の一部を経営学・商学系高等教育史としてまとめ、A Pioneer of Management Research and Education in Japan (Springer 2023) の一章として公表した。[a][b]共に関連するものとして、観測データに対する哲学的位置づけや、現代数理統計学やデータサイエンスの哲学的基盤について、実在論をめぐる近年の哲学上の議論から考察した。その研究成果の一部は、共編著であるRealism for Social Sciences (Springer 2023) の一章として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は、新型コロナウイルス感染症の第5類移行によって諸活動の制限は緩和されたものの、研究活動が以下の点で支障をきたすことが続いた。(1)関係者以外の利用制限が継続した図書館があったことにより、国内外の出張による文献調査が困難となることが多かった。(2)面談を必要とするインタビュー調査の計画や実施は、高齢者を対象とする本研究においては慎重とならざるを得なかった。(1)についてはデジタル・アーカイブ、図書館間貸借(ILL)の活用や古書の購入などで代替するように努めたが、一次資料へのアクセスは困難であり、研究調査の方法を変更せざる得ない部分も生じている。加えて、2021年11月に発症した病気により、主治医より行動制限を課されているため、研究活動に制約があり、結果として進捗状況の一層の遅れを招いた。
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今後の研究の推進方策 |
国際紛争や感染症の流行に左右されにくい次の方法をとることにする。(1)文献調査については、インターネット上で公開されているデジタル・アーカイブや図書館間貸借(ILL)、古書購入などの方法を活用する。(2)海外文献調査は国際状況を見ながら最小限に留める。 (3)研究者へのインタビューや研究者同士の議論等は、WEB会議システムを利用する。 その上で、以下の調査を中心に行う。(A) 過年度に引き続き、新制大学の自然科学系一般教育科目として設置された統計学のカリキュラムの成立背景・経緯を国際比較の観点から調査する。2023年度に一部着手した1940年~1950年における海外大学の統計学カリキュラムや国際会議における(高等教育の)統計学教育についての学会報告などの文献調査研究を行う。また、同時期の大学生向け数理統計学テキストの内容調査、検討を続ける。 (B) 2021年度に一部着手し、2022年度、2023年度に計画はしたものの実施できなかった、科学的管理や統計的品質管理といった生産管理手法への数理統計学の導入に関する調査研究を行う。これらの手法では、「分散(標準偏差)」という概念が鍵となっていが、これが、どのように日本に紹介され、解釈され、定着するようになったかを、1940年代までの学校教育関係資料や学術書、啓蒙書の調査から分析を行う。(C) 2023年度に計画はしたものの実施できなかった、戦後期(1945年~1950年)にデミングなどGHQが関係した統計的品質管理に関する講演会、セミナー、研究会に関する文献資料の所在の確認、収集の準備を行う。(D)(B)および(C)の成果を踏まえ、日本の統計的品質管理の形成とその発展に関して、関連する研究者と共同研究会を開催する予定である。 また、研究成果の一部は、随時取りまとめる予定である。
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