研究課題/領域番号 |
19K11872
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
逸見 昌之 統計数理研究所, 統計基盤数理研究系, 准教授 (80465921)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 無限次元情報幾何 / 推定関数 / 捩れを許す統計多様体 / 無限次元統計多様体 / 一般化エントロピー / 無限次元統計モデル / 非正則統計モデル / 情報数理科学 / 情報幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
確率密度関数の集合を多様体と見なし、統計的推論の構造を微分幾何学の方法により論じることから始まった情報幾何学は、これまで情報理論・最適化・機械学習などの関連諸分野にも影響を及ぼしながら発展してきたが、起源である統計学においてはいくつかの限られた成果はあるものの、あまり大きな進展は得られていない。しかしながら、まだいくつもの未解決問題が残っており、統計的推論や手法を幾何学の観点から理解し、発展させる可能性は十分にある。そこで本研究では、これまで行ってきた研究を踏まえながら、諸問題の解決や解決すべき問題の発掘なども行うことで、情報幾何学の統計科学における役割をさらに促進させることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究で得られた研究成果は以下の通りである。確率密度関数全体の集合に無限次元多様体の構造を導入する既存研究のほとんどは数学の立場からのものであるが、まず代表的なOrlicz空間を用いるものとHilbert空間を用いるものについて検討し、統計学におけるセミパラメトリック推測理論を幾何学的に扱うための枠組みとしては不十分であることを示した。また、セミパラメトリック推測理論には、パラメータ汎関数の微分可能性や接空間といった、多様体に関連する概念がいくつか現れるが、それらを手掛かりとして、統計学的に意味のある無限次元多様体の構造を導入するにはどのようにしたらよいかについての指針を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報幾何学では、確率密度関数の集合としての統計モデルが有限次元多様体として扱える場合についてはよく研究されていて、統計学にも応用されているが、セミ(ノン)パラメトリックな統計手法などを幾何学的に議論するためには、統計モデルが「無限次元」となる場合の理論を整備する必要がある。本研究での成果はその出発点に過ぎないが、その理論の整備は、情報幾何学の応用範囲を大きく広げ、統計学の発展にも寄与するものである。
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