研究課題/領域番号 |
19K11877
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
樋上 喜信 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (40304654)
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研究分担者 |
稲元 勉 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (10379513)
高橋 寛 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (80226878)
王 森レイ 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (90735581)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 故障診断 / 故障辞書 / ニューラルネットワーク / テストパターン / 組込み自己テスト / LSIテスト / アダプティブ故障診断 / LSIの故障診断 / フィールドテスト / テストパターン生成 / 出力応答圧縮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,出力応答に応じてテストパターンを印加するようなアダプティブ故障診断を想定し,故障診断時間が短縮する手法を開発する.開発する手法は,アダプティブ故障診断におけるテストパターン選択法,出力応答を比較する時間を短縮するための出力応答圧縮法,故障位置を1か所に絞り込むためのテストパターン生成法である.
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研究実績の概要 |
令和4年度の研究実績は,縮退故障とブリッジ故障に対する機械学習に基づく故障診断法を開発したことである. 故障診断とは,LSI(大規模集積回路)において故障が検出された場合に,故障位置を特定することを意味する.故障位置が特定された後は,設計・製造過程の改善による歩留まり向上や,故障の影響を避けるような限定されたシステム運用により,システムを即座に停止させるような状況の回避などにつながる.故障の種類は多岐にわたるため,故障診断においては,できるだけ多くの故障モデルを対象にすること,また,故障診断にかかる時間を短縮することによるコスト削減などが求められている. 本研究では,ブリッジ故障と縮退故障を対象に,ニューラルネットワークによる機械学習の手法を用いて故障診断を行う手法を開発した.ニューラルネットワークを用いて故障候補を推定することによって,出力応答と故障候補との関係を記述した故障辞書が不要になる.または,故障候補絞り込みのための故障シミュレーションが不要になるなどの利点がある.ニューラルネットワークにおいて,学習用データの作成は,学習に要する時間やニューラルネットワークの規模に影響するため,2つのタイプを考案し,実験においてそれらの有効性を調査した. ベンチマーク回路に対して,コンピュータ上でのシミュレーション実験を行った結果,入力データとしてパターンIDと故障IDを合わせた入力データとするようなデータタイプの方が,正解率が高くなることが示された.また,故障辞書を用いた場合と同程度の故障候補が得られることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アダプティブ故障診断の一手法として,ニューラルネットワークによる機械学習の手法を用いたブリッジ故障と縮退故障を対象にした故障診断法を開発した.開発した手法によって,従来の故障辞書を用いた故障診断と同程度の故障診断性能を達成できることが示された.また,ニューラルネットワークの学習用データの構築にも工夫をすることによって,学習時間の長大化を防ぐとともに,ニューラルネットワークの規模の増大も抑えることができた.したがって,本研究は順調に進展していると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ニューラルネットワークの規模を縮小するため,分割した複数のニューラルネットワークを用いて,故障診断を行う手法を開発する.これによって,故障辞書と同程度かより小さな記憶容量でニューラルネットワークが実現できることを目指す.また,故障診断性能を向上させるため,テストポイント挿入の手法を開発する.テストポイント挿入においては,制御点挿入と観測点挿入の2通りの手法を検討する.また,観測点挿入の際には,観測点が増加することにより観測すべき出力応答が増大するため,出力応答圧縮法を適用し出力応答の圧縮を実現する.
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