研究課題/領域番号 |
19K11882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
市原 英行 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (50326427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Stochastic Computing / Approximate Computing / 計算機システム / Dependable Computing / LSI CAD / ストカスティックコンピューティング / 計算機支援設計 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでに,確率論的に近似演算を行うストカスティックコンピューティング(SC)回路の要素設計技術に関する研究を行ってきた.本研究では,目的に応じた高品質なSC回路を合成するための高位合成手法を提案し,容易かつ低コストにSC回路を設計可能な計算機支援設計環境を構築する.具体的には,最適SC回路アーキテクチャ探索手法,最適パラメータ探索手法,高速回路シミュレーション手法,の3つの手法を2年間で提案し,最終年度の3年目にこれらを統合して新しい設計環境を構築し,その有効性を評価する.
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研究実績の概要 |
本研究は,ストカスティックコンピューティングを実現した論理回路(SC回路)のための高位合成手法を提案し,SC回路の計算機支援設計環境を構築することを目的としており,4つのサブテーマ(P1~P4)からなる.本年度は主に,「最適パラメータ探索アルゴリズムの提案(P2)」と「既存の設計環境・資産とのインターフェスの提案(P4)」に対して研究を行った. (P2)に対して,線形FSMを用いたSC回路(LFSM-SC)のパラーメータの1つである並列度に着目し,並列設計された線形FSMの低面積設計手法の開発に取り組んだ.線形FSMの並列化は演算時間を短縮できるという魅力があるが,回路面積が極端に増加してしまうことと,ストカスティックコンピューティングの性質により演算時間の短縮が演算精度を下げてしまう問題がある.開発中の手法はアルゴリズムの見直しと構成要素の設計を見直すことで,演算精度を維持したまま,面積を削減できる手法である.本年度は計算機を用いた回路シミュレーションにより,その効果を概ね確認している.成果の発表は2023年度に行う予定である. また,(P4)については,これまでに構築したMPI等を用いたシミュレーション手法と,提案した等価状態を利用した高信頼LFSM-SC設計手法を組み込んだ,SC回路設計環境の構築に取り組んだ.これは,研究室で所持してる商用CADツール(Synopsys社のDesignCompilerなど)や内製のツールと連携することで,設計コストを削減し,回路面積,回路遅延,消費電力,信頼度などを簡単に測定できることを目指している.設計環境は2023年末の完成を目指しているが,完成している一部の機能は(P2)の研究や他の研究(近似回路設計手法の研究)にも生かされている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度見直した推進方策では,1年間の延長を前提に「既存の設計環境・資産とのインターフェスの提案(P4)」を予定していた.その観点からは,ある程度今年度の目標は達成できたと考えている.また,「最適パラメータ探索アルゴリズムの提案(P2)」についても,LFSM-SCの並列化に関して一定の進捗はあった.しかしながら,コロナ禍や学生数の不足により,十分に学会発表や論文誌投稿ができなかったことから,このように判断した.
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今後の研究の推進方策 |
「最適パラメータ探索アルゴリズムの提案(P2)」に関する,並列設計された線形FMSの低面積設計手法のを完成させて,成果を外部に発表する.また,これまでの成果を統合し,「既存の設計環境・資産とのインターフェスの提案(P4)」を完成させることで,SC回路の計算機支援設計環境の構築を行い,本テーマの完成を目指す.
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