研究課題/領域番号 |
19K11896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森畑 明昌 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10582257)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 漸増計算 / 多相型パラメトリシティ / プログラム変換 / パラメトリック多相型 / 多相型 / パラメトリシティ / プログラム微分 / 型パラメトリシティ |
研究開始時の研究の概要 |
ある入力に対して一度計算を行った後に入力がわずかに変化したとき、以前の計算結果を利用して迅速に変更された入力に対する計算結果を得る技法を漸増計算と呼ぶ。本研究では、漸増計算を考慮せずに記述したプログラムを漸増計算を行うプログラムへ変換するアプローチによって、一般的な漸増計算技法を与えることを目標としている。 本研究では、研究代表者が近年開発したパラメトリック多相型の理論に基づく漸増計算手法に注目する。この手法は木構造を構造再帰によって処理するプログラムにしか適用できなかった。これを一般化することで、広い範囲のプログラムを扱える理論の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
同じ処理を異なる入力に対して何度も行うとき、前回の実行結果を活用することで次の実行が高速化できると望ましい。このような手法を「漸増計算」と呼ぶ。本研究課題では、パラメトリック多相型と呼ばれる関数型言語で広く使われている型に基づき、漸増計算を行うプログラムを系統的に導出する手法を提案した。その過程で、既存のパラメトリック多相型の証明手法の使いにくさを発見し、それを改善する手法も併せて与えた。さらに、漸増計算の具体的な応用例についてもケーススタディを行い、多次元配列を何度も走査するようなプログラムに対する漸増計算手法を与えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色はパラメトリック多相型の理論に基づいている点にある。パラメトリック多相型は理論的成果を実用につなげやすいという長所があり、関数型言語のコンパイラでも最適化の基礎として利用されている。そのため、本研究成果は漸増計算に関する理論的成果であるが、これをコンパイラ最適化等で利用できる可能性があるという点で、実用に繋がりうるものである。また、パラメトリック多相型の理論に基づいた手法を同様に開発する際のケーススタディとしても価値をもつ。
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