研究課題/領域番号 |
19K11946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
石橋 圭介 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20710271)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 時系列因果推論 / リソース配置 / 通信行動パターン / 因果推論 / 潜在トラフィック / 通信品質 / トラフィック潜在化検出 / 最適化 / ネットワークトモグラフィ / 経路制御 / 潜在需要 / ネットワーク制御 / ネットワーク設計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,需要が潜在化する状況下において潜在需要に基づく効率的かつ公平なリソース設計・制御方式を確立することを目的とする.本研究は,潜在需要を考慮したリソース設計・制御という新たな分野を開拓するものであり,本研究により本来の需要を正確に把握した高品質かつ効率的なICTシステムの実現につながる.
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研究実績の概要 |
2023年度は通信品質劣化を起因とする通信行動変化やトラヒック潜在化に関する理論的な検討としてa) 潜在トラヒック量の推定手法考案を、また実証的な検討としてb)実トラヒックデータによる通信行動分析を行った。さらに通信品質劣化を未然防止を目的としてc)リソース配置方式の検討を行った。 a) 通信品質劣化を起因とする通信行動変化に伴うトラヒックの潜在化を、時系列因果モデルとして定式化し、通信品質劣化によるトラヒック潜在化を因果効果として推定する手法を考案した。同手法の推定精度について、通信行動変化までのラグと行動変化持続時間、及び通信品質トラヒック量時系列の観測時間粒度が推定精度に与える影響をシミュレーションにより評価した。 b) 上記通信行動変化を実データで検証すべく、リモートデスクトップ型テレワークアプリケーションの通信品質データとトラヒックデータについて、両者の関係を統計分析することで通信品質、具体的には往復遅延の増大と共にトラヒック量が減少しており、通信行動変可の可能性があることを示した。さらに、DNS (Domain Name System) のクエリログから非負値テンソル分解を用いてユーザーの通信行動パターを抽出する技術を開発し、実DNSクエリログで有効性を評価した。 c) 通信品質劣化を未然に防ぐ技術として、マイクロサービス間の通信パターンに基づき、ユーザ遅延を最小化するマイクロサービスリソース配置方式を検討し、テストベッド実験において方式有効性を確認した。 これらの結果を査読付き国際会議論文発表1件、国内研究会発表2件にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初最終年度までに検討する予定であった、ネットワーク設計・制御方式の検討をほぼ完了した上で、ネットワーク上のリソース配置方式に拡張することができている。 また、実トラヒックデータによる実証分析についてもDNSクエリログ、リモートデスクトップサービスの通信データ等複数のデータによって通信行動パターン抽出や通信行動変化検証をすすめることができている。 その他潜在メカニズムの時系列因果モデル化による潜在トラヒック量推定方式も検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
a) 時系列因果モデルによる潜在トラヒック推定手法について、より実際の利用を模擬した環境での手法適用性評価を進める。 b) 実データによる実証検証についても、通信行動変化をもたらす通信品質劣化パターンの解明を進めていく。 c)通信品質劣化未然防止方式について、通信品質劣化のみならず通信障害も対象として、方式拡張を行う。 上記を論文としてまとめていく。
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