研究課題/領域番号 |
19K11989
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60090:高性能計算関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 大介 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (00292714)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | エクサスケールシステム / 高速フーリエ変換 / 数論変換 / メニーコアプロセッサ / SIMD化 / 並列化 / GPU / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
高速フーリエ変換(fast Fourier transform、以下FFT)は、科学技術計算において今日広く用いられているアルゴリズムである。今後の技術動向から2021~2022年度にはエクサフロップスを超える性能を持つ次世代のスーパーコンピュータが出現すると予想されている。本研究では、エクサスケールシステムにおけるFFTアルゴリズムを実現すると共に、メニーコアプロセッサやGPUを搭載した超並列クラスタにおいて性能評価を行うことにより、エクサスケールシステムに適したアルゴリズム及び最適化手法を見出すことを目的とする。
|
研究実績の概要 |
2022年度は複素数上の離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)を環や体上に一般化した数論変換(Number-Theoretic Transform、以下NTT)の実装および性能評価を行った。NTTは準同型暗号、多項式の乗算および多倍長数の乗算に用いられている。NTTのカーネルには剰余乗算が含まれているが、Montgomery乗算やShoup乗算を用いることで時間の掛かる除算を実質的に行うことなく、乗算、加減算およびシフト演算のみで剰余乗算を行えることが知られている。NTTのカーネルにおける演算回数を検討したところ、Shoup乗算を用いた方がMontgomery乗算よりも少ないことが明らかになった。そこで、複数のShoup乗算をSIMD命令であるIntel Advanced Vector Extensions 512 (AVX-512)命令を用いて高速化した。さらに、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform,以下FFT)の並列化に適しているsix-step FFTアルゴリズムをNTTに適用し、six-step NTTアルゴリズムを構築するとともに、OpenMPを用いて並列化を行った。メニーコアプロセッサにおける性能評価の結果、提案するNTTの実装は並列化が行われていないIntel Homomorphic Encryption(HE)Acceleration Libraryに含まれているNTTの実装よりも高速であることを示した。 また、2022年度に行った研究成果を国際会議で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の研究成果を国際会議で発表することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題については、今後のエクサスケールシステムの動向も調査しつつ、高速フーリエ変換および数論変換のアルゴリズムの開発を引き続き推進していく予定である。
|