研究課題/領域番号 |
19K12003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土井 祐介 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10403172)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 非線形局在モード / 非線形波動 / 非線形振動 / フォノン / エネルギー輸送 / 長距離相互作用 / 分子動力学 / フォノンモード / 非線形ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
結晶や音響メタマテリアルの原子、素子スケールの振動・波動ダイナミクスにおいては要素間の非線形性を考慮した非線形ダイナミクスが重要になってくる。しかし、これまでの非線形ダイナミクスの研究は線形近似からの摂動や観測データのフィッティングとして記述されており、非線形性を陽に取り込んだ解析、動力学理論の構築はほとんどなされていない。そこで「ミクロスケール非線形性は材料・音響メタマテリアルのフォノンモードにいかなる変容をもたらすか」という問いに対して数値シミュレーションおよび理論解析を用いて非線形ダイナミクスの統一的な理解を目指す。
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研究成果の概要 |
格子モデルにおける非線形ダイナミクスとして非線形ノーマルモードおよび非線形局在モードなどの非線形周期解に着目し数値シミュレーションおよび理論解析を実施した。分子動力学法と反復法を連結した周期解探索手法により、結晶格子モデルにおける移動型非線形局在モードの数値解を構築した。また、非線形局在モードの生成メカニズムの一つである特定のフォノンモードの不安定性と格子の対称性の関係を理論的に解析し、格子の対称性が高い場合においてもが不安定化することによるエネルギー局在化が可能であることを示した。さらに、格子の対称性の物性理論への適用として、3次の非線形性を持つ格子系においても対称性を有する格子が構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶格子やメタマテリアルなどの周期構造体における非線形ダイナミクスの解析は、摂動法による解析的アプローチと大自由度時間発展シミュレーションのデータの統計的処理による力学特性の解析が行われてきた。しかし前者は弱非線形領域が解析対象であり、後者は統計的処理により重要な情報が埋もれてしまう。本研究では非線形性が強い領域における大自由度系の個々の要素のダイナミクスの追跡の重要性を、非線形周期解の解析により示した。非線形相互作用のパラメータや形状の調整によって、非線形周期解および関連する輸送特性を制御することが可能であることを示し、非線形メタマテリアルへの応用の可能性を示した。
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