研究課題/領域番号 |
19K12010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古明地 勇人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30357032)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 第一原理分子動力学法 / フラグメント分子軌道法 / FMO / 周期境界 / 溶媒 / 新型コロナウィルス / FMO-MD / CDAM / SARS-CoV-2 / Spike / MD / 新型コロナ / プロテアーゼ / スパイク / 富岳 / 分子動力学法 / 周期境界条件 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
フラグメント分子軌道(FMO)法は、特にタンパク質などの巨大分子系の電子状態計算方法として、製薬業界や大学で広く利用されている。FMO法は分子動力学(MD)にも拡張されている(FMO-MD)。従来、FMOおよびFMO-MD法は、実用的には、非周期境界だけで行われてきた。今回、FMOプログラムABINIT-MPに、多重極子展開などの高速化アルゴリズムに基づいて周期境界条件を入れ、FMO法とFMO-MD法の適用範囲を拡大する。改良したプログラムは、水1000分子や、溶媒中の低分子化合物のFMO-MD計算で、検証する。
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研究成果の概要 |
フラグメント分子軌道法FMOは、巨大分子系に適用可能な電子状態計算手法であり、また、FMO-MD法はFMOを分子動力学法MDに応用した第一原理分子動力学法の一種である。今回、FMO-MD法を、周期境界条件に展開するために、環境静電相互作用に対して、高精度で高速なコレスキー分解を適用することに成功した。一方、コロナ禍での社会貢献として、FMOで新型コロナ由来タンパク質の電子状態を計算するため、FMO-MD法の前段階のMM-MD/FMOプロトコール(古典MDでサンプルした構造にFMOを適用)を用いて、MProやSpikeの電子状態計算を行い、その基質との相互作用を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FMO-MD法の速度や精度を上げて、今後適用範囲を広げるための準備を整える意義があった。特に、近い将来、酵素反応のリアルな第一原理シミュレーションに拡張することが期待できる。加えて、MM-MD/FMO法による新型コロナウィルスのタンパク質(MProとSpike)の電子状態計算は、富岳を使った、世界最大レベルのものであるが、そのタンパク質、さらにはウィルスの性質の解明の一助になり、製薬への示唆を与えることができた。
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