研究課題/領域番号 |
19K12031
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
北村 達也 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (60293594)
|
研究分担者 |
真栄城 哲也 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30361356)
竹本 浩典 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (40374102)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 鼻腔 / 副鼻腔 / 音声 / 数値音響解析 / 音響シミュレーション / FDTD法 / 時間領域差分法 / 数値解析 / 音響計測 / 声道模型 / 音響解析 / 鼻音 / 伝達関数 |
研究開始時の研究の概要 |
鼻腔は複雑な形状をもっており,さらに大小さまざまな副鼻腔が接続されている.鼻をつまんで声を出せば声質が変わることからもわかるように,鼻腔や副鼻腔は音声の生成に大きく寄与しているが,従来,鼻腔や副鼻腔の影響は軽視され,それらの音響特性は十分に検討されてこなかった.本研究では,X線CTデータを用いて詳細な3次元形状を抽出し,音響計測や音響シミュレーションなどによって音響特性や個人差を明らかにする.
|
研究成果の概要 |
鼻腔・副鼻腔の音響特性は音声の個人性(話者の特徴)に大きく貢献するが,これらの形態的,音響的なバリエーションについては理解が進んでいなかった.そこで,本研究では,「鼻腔・副鼻腔の音響的機能と声質の多様性を生み出すメカニズムはいかなるものか?」という問いに取り組んだ.COVID-19の感染拡大に伴い,健常者を対象にしたデータ収集ができなかったため.治療目的にて撮像した数名の患者のCTデータを対象にして,可能な範囲で研究を遂行した.その結果,時間領域差分法(FDTD法)に基づいて鼻腔・副鼻腔の数値音響解析法を確立し,鼻腔・副鼻腔の形状変化が音響的,聴覚的に及ぼす影響について明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,音声の個人性(話者の特徴)に大きく寄与する鼻腔・副鼻腔の形態的・音響的バリエーションとその聴覚的な影響を調査した.治療目的にて採取された患者の3次元CTデータを用いて,鼻腔・副鼻腔の手術による変形が音声に及ぼす影響を計算する数値音響解析法を確立するなどの結果を得た.この成果は,今後,術前の3次元CTデータに対して仮想的な手術を施し,それが音声に及ぼす影響を高速に予測する技術へと発展させる.この技術が実現すれば,医師の手術計画立案を支援するとともに患者へのインフォームド・コンセントに活用する「音声アセスメント」が可能となり,患者の音声の個人性を維持する手術の実用化が期待できる.
|