研究課題/領域番号 |
19K12048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
竹本 浩典 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (40374102)
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研究分担者 |
榊原 健一 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 准教授 (80396168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リアルタイムMRI / オペラ / 声道 / 横隔膜 / 呼気圧 / オペラ歌唱 / 肺 / rtMRI / 声帯 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、オペラ歌手が声量のある良く響く発声を行うメカニズムの解明を試みる。オペラ歌唱では、共鳴器である声道(声帯から口唇までの空間)と、呼気を生成する横隔膜を独特の方法で制御することにより、特有の発声を行っていると考えられているが、声道も横隔膜も直接観察できないため、詳細は明らかになっていない。そこで、まず、オペラ歌唱時の声道や横隔膜の運動を医療用のMRIで動画として撮像し、変位量などを分析する。次に、これらの分析結果に基づいて、声道や呼気の制御が音声に及ぼす影響をシミュレーションでも検討する。そして、これらを踏まえてオペラ歌唱のメカニズムの解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
オペラ歌唱において声道や横隔膜は声の高さや大きさの制御のために重要である。しかし、これらの器官は体内にあって観測が困難であった。そこで本研究では、歌唱中のオペラ歌手の頭頸部と胸腹部の運動をリアルタイムMRIで動画として記録して分析した。その結果、声が高くなると頸椎の後弯が大きくなること、声の高さの変化量に応じて横隔膜の上下動を変化させていることが明らかになった。前者は喉頭の構造を利用して声帯の張力を制御し、後者は空気の圧縮性を利用して肺圧を制御していることを示すと思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
声が高くなると口が開くことは知られていたが、これに加えて頸椎の後弯の度合いが大きくなることを世界で初めて明らかにした。これは、従来知られていなかった喉頭の構造を利用した声の高さの制御方法が存在することを示唆する。また、一般的に歌唱中は呼気流を生み出すために横隔膜は上昇するが、熟練したオペラ歌手は肺圧を下げるために空気の圧縮性を利用して呼気流を生み出しながらも一時的に横隔膜を下降させていることを明らかにした。これも世界で初めて得られた知見で、歌唱技術の指導に貢献する。
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