研究課題/領域番号 |
19K12051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
岩野 公司 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (90323823)
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研究分担者 |
篠田 浩一 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (10343097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 話者照合 / 声真似 / 成りすまし / 話者認識 / 個人認証 / 成りすまし攻撃 |
研究開始時の研究の概要 |
声による個人認証(話者照合)の実用化のためには,様々な「成りすまし攻撃」に対する対策を講じる必要がある.本研究課題では「声真似による成りすまし攻撃」を取り上げる.まず,声真似に特別なスキルを有していない一般の人の攻撃についての現象の分析とその対処手法の提案を行う.その際,深層学習に基づく話者照合技術の導入も検討する.さらに,声真似に高いスキルがある人物の攻撃についての分析と対処手法の考案を行い,双方の攻撃に対する効果的な対策手法の提案を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,声による個人認証(話者照合)の実用化に向けた,「声真似による成りすまし攻撃」の対策についての検討を進める.過去の研究において,従来型の話者照合システム(GMM-UBM法に基づく話者照合システム)では,物真似のスキルの違いによって成りすましが成功する要因に違いがあることが示唆されていることから,そのメカニズムの解明を図り,その知見に基づいて声真似攻撃に対する効果的な対策手法の提案を目指す. 2023年度は,本研究課題で新規に構築・導入した「深層学習に基づく話者照合システム」に基づく認証に対する,発話単位の詳細な分析を行うための検討を進めた.具体的には,前年度までの実験結果で,深層学習に基づく話者照合システムによる認証では,従来型の照合システムよりも「物真似のスキルが低い人(物真似の経験がほとんどない一般の人)」の声真似攻撃の一部を効率的に防御できていることが確認されたことから,現象の理解を深めるために,「物真似のスキルが高い人(経験が豊富な物真似タレント)」の声真似攻撃との比較を行うことで分析を進めた.これまでに,発話単位の照合スコアとその算出に必要となる対数尤度に基づく比較分析を実施したが,現象が複雑であったため,結果の可視化の方法について種々の検討を行った.最終的な候補として,システム登録話者に対するPLDAスコアを特徴量とした主成分分析により可視化用の空間を構成することを暫定的に決定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルスの影響で2021年度までの研究に遅れが生じたため,期間を延長して研究を実施しており,実験や評価についての遅れはほぼ取り戻している.研究成果の発表がやや遅れていたため,2023年度に国際会議に投稿を行い,採択されたが,主催者都合によりキャンセルとなったため,発表の遅れを回復することができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
深層学習ベースの話者照合システムを利用した物真似スキルの違いによる比較の分析を進め,その結果に基づいて,成りすましに頑健な話者照合システムの構築方法についての指針を整理し,提案を行う.特に,物真似の高スキル者の声真似攻撃に対する対処手法についての検討が未だ不十分であるため,その点を考慮した提案を目指す.
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