研究課題/領域番号 |
19K12063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
縄手 雅彦 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (10198400)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ADHD / 動的な視覚刺激 / 注意持続 / ワーキングメモリ / 動的視覚刺激 / 行動抑制 / 訓練ゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
多動性や衝動性により学習や生活に困難を持つADHD児の行動抑制訓練およびワーキングメモリ訓練をゲーム形式で行うためのソフトウェアを開発する.ADHD児はゲーム画面などに持続的に注意を分配することに困難を元々は持っているが,動的な視覚刺激を提示すると,画面への注意持続が向上するというこれまでの申請者らの実験結果を基に,動的な刺激をゲーム内に付加する.Kinectを用いて実際に自分が動いてアバターを操作するものや,N-back課題を参考に,少し前に敵が逃げた経路を覚えておいて追跡するものなど,動きのあるゲームで遊ぶことにより,行動抑制やワーキングメモリの訓練が実現できる.
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研究成果の概要 |
ADHD児童においては注意の転導が学習を妨げており,取り組むべき内容への集中を維持することを困難にしている.我々は動画による動的な視覚刺激によりADHD児の注意を画面に保持したままにすることが可能であることをGo/NoGo刺激課題を用いて実証した.そこで,動的な刺激を継続的に提示するゲーム形式のアプリを開発し,ADHD児のワーキングメモリトレーニングとして活用可能かを検討した.N-back課題をモチーフにした泥棒が逃げた経路を後からたどるゲームをADHD児に試したところ,ゲームの成績が児童の言語性ワーキングメモリ能力とまた,経路の選択肢の数が視覚的ワーキングメモリと相関があることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADHD児の注意の分散は学校教育において,それら児童への適切な指導を行う上での障害となる場合が多い.過剰に注意を引くような刺激物を教室に置かないことなどが一般的には対策と言われているが,本研究では動画の利用など強い視覚刺激を持つ対象物であればADHD児の注意をむしろ持続させることができる可能性を示した.GIGAスクール構想により学校現場での情報端末の普及は急速に進んでおり,それらのデバイスを有効に活用することで,ADHD児に対する指導において,内容理解を増進する効果が期待される.動的な視覚刺激を含む教材の利用を効果的に使用することの可能性を示すことができた.
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