研究課題/領域番号 |
19K12071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 相模女子大学 (2021-2023) 早稲田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
金 相賢 相模女子大学, 学芸学部, 講師 (60708840)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 単眼立体情報 / 両眼立体情報 / 視覚特性 / 認知過程 / 視差量 / バーチャルリアリティ / 両眼立体視 / HMD / 眼球運動 / 認知特性 / 仮想空間 / 両眼視差 / 認知行動 |
研究開始時の研究の概要 |
VR空間を実現する没入型HMDシステムの普及によって両眼視差を用いた映像情報の重要性が国内外で再認識されている。本研究では、没入型HMDシステムにおける視知覚特性に注目し、両眼視差を操作することで、視差条件が認知過程に及ぼす影響について視差量の度合いが異なる呈示条件を設けて実験的検討を行う。視差量の変化と認知過程への影響として、視差量の時空間的変化による注意・記憶・選好・方向判断への影響が挙げられ、コンテンツ制作に反映することで両眼立体情報の機能的活用が可能となる。なお、視差情報の定量化は、視覚負担の度合いという安全性、適正な奥行き感という快適性の、二つの側面を考慮した上に評価する。
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研究実績の概要 |
本研究では仮想空間における視差量操作が認知過程に与える影響を明らかにすることを目的とする。今回は、奥行き知覚に関わる視覚系の立体情報を用いて空間表現の新たな手法として3つのコンテンツ制作を検討した。具体的にARコンテンツ表現に関するワークショップ、アナモルフォーズを用いた大型プロジェクションマッピング、ポイントクラウドによる構造物の再現であった。ARコンテンツの場合、整合性が取れた個別コンテンツをレイヤーに分けて提示することで、単眼立体情報のなかにオクルージョンと呼ばれる遮蔽が働き、立体のように見える錯視表現が可能となる。これらの表現手法をARグラスやMRグラスに適用することでより手軽にデジタル情報を現実世界に重ね合わせ、エンタテインメント分野など新たな市場を開拓することが期待される。2つ目のコンテンツはアナモルフォーズを用いた大型プロジェクションマッピングである。人間の視覚特性上、視距離が大きくなると視差が少なくなるために両眼立体情報は得られにくくなるが、相対的サイズや空気遠近のように単眼立体情報からの奥行き知覚に影響は少ない。単眼立体情報を利用することで3DCGコンテンツをアナモルフォーズ表現で歪ませ、計算された視環境を前提に実物体としてスクリーンに投影されることで本来の3D表示が可能になる。3つ目はポイントクラウドデータによるコンテンツである。構造物をメタバース空間に記録保存するために3次元スキャナーを活用し、建物と庭園に対して正確な位置情報を持つポイントクラウドデータを取得した。今後の取り組みとして、今回のコンテンツ制作により得られた知見を元に、立体情報など人間の視覚特性を考慮したコンテンツの作成や認知課程への影響を検討して行きたい。
立体情報を活用したコンテンツ作成と空間表現に関する基礎的検討、金相賢、メディア情報研究 (10), 3-12, 2024年3月
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、実験準備に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の取り組みとして、コンテンツ制作時に得られた知見を元に、立体情報など人間の視覚特性を考慮したコンテンツの作成や認知課程への影響を検討して行きたい。
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