研究課題/領域番号 |
19K12078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
安藤 彰男 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00545668)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 高臨場感オーディオ / フィールド臨場感 / 主観評価 / 両耳間相関関数 / 客観評価指標 / 音響レンダリング / 拡散音 / 客観評価法 / マルチチャネル音響 / レンダリング |
研究開始時の研究の概要 |
マルチチャネル音響の臨場感には、直接音がもたらすオブジェクト臨場感と、拡散音がもたらすフィールド臨場感があり、高臨場感音響再生では、どちらの臨場感も欠かすことができない。マルチチャネル音響コンテンツを、本来とは異なるチャネル数や異なるスピーカ配置で再生するために、音響レンダリングの手法が用いられる。従来のレンダリング法は、チャネルの方向に基づいて行うものであったため、オブジェクト臨場感はうまく再現できたが、フィールド臨場感を損なうという問題があった。本研究では、フィールド臨場感を最大限維持するため、拡散音に適したレンダリング法の研究開発を行い、主観評価実験により、その性能を評価する。
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研究実績の概要 |
響きの豊かなコンサートホールにおけるオーケストラ演奏を22チャネルで録音した音源を用いて、本研究で開発したレンダリング方式がどの程度本来のフィールド臨場感を保存しうるかを評価した。使用した音源には、残響音などの拡散音が多く含まれている。まず、22チャネル信号を、従来法と提案法を用いて5チャネル信号にダウンミックスした。この5chダウンミックス音が、もとの22チャネルに比べどの程度フィールド臨場感を劣化させるかについて、主観評価実験により調べた。評価法としてはITU-R BS.1116-2で標準化されている隠れ基準付き三刺激二重盲検法を用いて行った。その結果、従来法と比較して本方法が有意に優れていること、また、本方法は同評価法のDifference gradeで-1.0以上、すなわち放送品質であることが示された。さらにこの5チャネル信号を、従来法と本方法を用いて2チャネルにダウンミックスし、主観評価実験により、5チャネルに対して、ダウンミックスした2チャネル信号がどの程度フィールド臨場感を劣化させたかを評価した。評価法としては、ITU-R BS.1534で標準化されているMUSHRA法を用いた。主観評価実験の結果、本方法の方が、従来法によりも広がり感の劣化が少ないだけでなく、両方法の間には有意差もあることが判明した。 この他、今後の臨場感の客観評価を目指し、ダミーヘッドマイクロホンでオーディオ再生音を録音し、録音された信号から両耳間相互相関関数を計算した上、スピーカ方向に対応する時間差におけるピークを抑圧してフィールド臨場感の客観指標を計算する方法を確立した。主観評価実験との比較を行ったところ、両耳間相互相関関数の最大値である両耳間相関度(IACC)は主観評価実験との対応が見られなかったが、新手法は主観評価実験との高い相関がみられ、客観手法としての有効性が確認された。
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