研究課題/領域番号 |
19K12081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 一晶 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (70721877)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 音声対話エージェント / 感情表現 / 音楽 / ソーシャルプレゼンス / ロボットハンド / 身体接触 / 音声アシスタント / HAI / HRI / 社会的存在感 |
研究開始時の研究の概要 |
ユーザを音声対話で支援するAIエージェントは社会的存在感(人間らしい性質を感じさせる度合い)が低く,多くの人が話しかけることに抵抗感を持っている.社会的存在感を強化する基本的な方法は外見や振る舞いを人間らしくすることであるが,本研究では,視覚的にエージェントを提示することが適切ではない運転中等の状況であっても有効な手法を開発する.その手法として,合成音声による感情表現をBGM等の音情報で強調することで,より感情豊かなエージェントをユーザに想像させる.まず,有効な音情報とユーザの想像力を喚起する条件を心理実験で明らかにする.さらに,深層学習技術を応用し感情を強調する音情報の自動生成に取り組む.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,AIエージェントの感情表現を様々な情報によって強調し,その社会的存在感を高めることである.まず,音情報による感情表現強調の効果を検証した.エージェントの合成音声による感情表現をBGMによって強調すると感情が伝わりやすくなり,その結果,社会的存在感が高まることを明らかにした.次に,触覚情報による感情表現強調の効果を検証した.実験ではロボットハンドを介して相手と手を繋ぎながら会話し,感情が高まる部分で強く握る操作を行った.会話の流れに応じたロボットハンドの動きは,ロボットハンドが相手の手であると感じさせ,相手と触れ合っている感覚によってその社会的存在感が高まることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AIエージェントはスマートフォンやスマートスピーカだけでなく,電子レンジや車など様々な家電に搭載されている.そのようなエージェントとの対話は,ユーザが作業中であっても使用できるように音声が使用されているが,モノに話しかける羞恥心によってその機能が活用されていない場合がある.本研究の成果の社会的意義は,エージェントの感情表現を様々な情報で強調することで社会的存在感を高め,話しかける羞恥心を軽減できることを示した点である.そして,感情表現を強調する手段として,BGMやSEのような音情報だけでなく視覚や触覚等も有効であることを示し,モダリティに依存しないことを明らかにした点が学術的意義である.
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