研究課題/領域番号 |
19K12095
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
千葉 一永 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50450705)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 位相的データ解析 / パーシステントホモロジー / 非定常空気力学 / 遷音速バフェット / 航空機遷音速バフェット / 時間的発生起点 / 遷音速バフェット強度定量化 / 空力センサ / 設計情報可視化 / 航空機非定常空力現象 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,カオス的/非カオス的によらず多次元データ構造のパターンを発見する,非定常データセットのための位相的データ解析法を開発し,実機飛行データに応用する.そして,カオス的な飛行データ構造を数理モデル化することで,60年以上未解明の航空機物理現象の発生メカニズムの解明を目指す.これにより,航空機の安全性を脅かす非定常現象に対応した,これまでと一線を画す新たな航空機体設計戦略が明示されるとともに,自然現象が原因の悲惨な航空機事故の皆無な未来の実現につながる.
|
研究成果の概要 |
本研究では,遷音速バフェット強度をパーシステントホモロジーにより定量化し,検出するか調査した.Navier-Stokes方程式が扱う物理量を数学空間で間接的に扱うホモロジーに代替させ,遷音速バフェット強度の定量化を試みた.その結果,衝撃波通過領域における翼面上の任意の観測点データからバフェットを検出した.圧力係数と主流方向速度変化の2つの物理量は,いずれもバフェットを検出可能だが,主流方向速度変化はバフェット強度に顕著な差異を示し,より適切な指標となる.本手法の適用により,航空機が現在取得している翼表面センサデータから,リアルタイムで遷音速バフェットを検出できることが示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
航空機の安全性の劇的向上に対する自然現象に起因するボトルネックは,非定常な物理現象である.民間航空機の就航以来多様に研究されてきたが,非定常現象を伴う飛行データはカオス的で解析が困難なため,物理メカニズムは未解明で,現在も重大事故を誘引している. 本研究で行ったパーシステントホモロジーを用いた位相的データ解析法は,カオス的飛行データからバフェット強度を定量化した.航空機が運航中取得するセンサデータを利用できるため,本手法の利用のみで,リアルタイムでの遷音速バフェット発生検知が可能となり,安全性を定量的に計測できる.バフェットの時間的発生起点も特定でき,物理メカニズム追究の一助にもなる.
|