研究課題/領域番号 |
19K12140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
國田 樹 琉球大学, 工学部, 准教授 (20645478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 学習記憶能 / 繊毛虫ゾウリムシ / 膜興奮ダイナミクス / Hodgkin-Huxleyモデル / Fitz-Hugh Nagumoモデル / 膜電位 / 行動変容能 / 環境適応能 / 単細胞生物 / ゾウリムシ / 膜電位動態 / 数理モデル / 知的行動 |
研究開始時の研究の概要 |
医学分野では血管内や消化管内で働くマイクロロボットの開発が進められている。マイクロロボットには大型のロボットとは異なる「動くしくみ」が必要である。単細胞生物はマイクロスケールの一つの細胞の中にセンサ、アクチュエータ、情報処理システムなどの自律的に生きるために必要な全ての要素を持っており、自然が創り出したマイクロロボットと言える。そこで本研究では、単細胞生物の運動や行動の仕組みを調べることによって、マイクロロボット設計のヒントを得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
単細胞生物の繊毛虫ゾウリムシが障害物に衝突した場合に、速度や接触角度が同じであっても複数の行動パターンを示すことが明らかになった。また、ゾウリムシが細長い管の端に何度も衝突すると、徐々に長距離を後退できるようになり、その長距離後退能が0.5~1分程度の間にわたって保持されることがわかった。これらゾウリムシの行動を高等生物の神経細胞と同様の膜興奮ダイナミクスに基づく数理モデルで記述し、その行動を数値シミュレーション実験で再現できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単細胞生物の繊毛虫ゾウリムシの行動は、高等生物の神経細胞と同様の膜興奮ダイナミクス(膜電気現象)で記述できることから、ゾウリムシは「泳ぐ神経細胞」と呼ばれる。それゆえ、ゾウリムシの環境適応能や記憶能などのしくみを膜興奮ダイナミクスに基づいて理解することができれば、生物の知性の起源の一端を知ることができる可能性がある。また、数理モデルによるゾウリムシの行動再現は、ロボットの移動アルゴリズムなどの工学的な応用を可能にする有用性がある。
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