研究課題/領域番号 |
19K12143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
浦上 大輔 日本大学, 生産工学部, 准教授 (40458196)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | セルオートマトン / リザバーコンピューティング / 非同期時間 / カオスの縁 / 普遍的臨界性 / 時系列データ / 機械学習 / 内部観測 / 学習システム / 非同期 / リザーバーコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
多様なダイナミックスを有すること,入力に対して安定であること,両者は相反する特性であるため一般的にはそのようなシステムはパラメータの微調整を要する.一方,非同期で不均一なセルオートマトンはそのようなパラメータの微調整を要せずに,両者を内包する臨界的な時空間パターンを生成することが明らかになっている.本研究ではこの驚くべき特性を計算資源として活用することにより,生命システムのように柔軟で創造的な情報処理システムを構築しつつ,その起源・メカニズムを解明することを志向する.
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研究成果の概要 |
本研究の成果は,非同期で不均一な一次元セルオートマトンである非同期調整オートマトン(AT_ECA)を用いたリザバーコンピューティング(RC)を実装し,時系列データの学習においてその有効性と普遍性を明らかにしたことである.あわせて,通常の一次元セルオートマトンである初等セルオートマトン(ECA)を用いたRCにおいて,クラス4と呼ばれる臨界的な時空間パターンがより高い学習能力を持つことを示した.くわえて,リザバーの状態を可視化する指標を考案して,両者の高い学習能力は共にリザバーの臨界的性質に起因することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,「カオスの縁」から「普遍的臨界性」へと理解の方法を転換することを提唱して,その実践を提示したことにある.カオスの縁すなわち「生命システムのように臨界的な性質は,極めて限定されたパラメータ領域でのみ実現される」という描像は広く受け入れられているが,それは同期時間という特定の記述スタンスに依拠するものであり,非同期時間あるいは内部観測という別の記述スタンスにおいては臨界的な性質は普遍的に現れる.そのことをリザバーコンピューティングという機械学習分野にとどまらない学際的な研究対象において実証したことは,様々なシステム構築における設計指針に影響を及ぼすものと期待できる.
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