研究課題/領域番号 |
19K12162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕二 法政大学, 情報科学部, 教授 (20328909)
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研究分担者 |
廣津 登志夫 法政大学, 情報科学部, 教授 (10378268)
宮川 みなみ 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (40793964)
佐藤 未来子 東海大学, 情報通信学部, 准教授 (20626030)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Distributed NSGA-II / Divide-and-conquer / Distributed MOEA/D / Virtual overlapping zone / Ideal Point / Reference Point / 仮想グローバルベスト / 多目的進化アルゴリズム / 並列分散処理 / ソフトコンピューティング / スマート社会 |
研究開始時の研究の概要 |
これからのスマート社会では異なる目的を持つ複数の課題がサイバーワールドを介して共存するために、多数目的最適化技術が重要となる。一方、医療診断や走行中の車の安全技術など人命が関係する応用では高い信頼性とともに実時間処理が要求される。そこで本研究では、解集団の分布に関する事前知識がない場合も含めて、複数の課題が共存する環境における多数目的最適化問題を高い信頼性を維持したまま短時間で処理するための基盤技術を確立する。特に、多様性やニッチング能力の観点も含めた探索精度の向上に焦点をあてて研究を進める。
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研究実績の概要 |
(1) パレート優劣関係に基づく手法であるNSGA-IIに関して、並列分散環境において、分割統治法を参考にした階層型非支配ソート、および探索過程でのパレートフロントの両端の非劣解を全てのコアCPUで共有する移住方式により、解の多様性(パレートフロントの両端の広がり)および均一な解分布能力向上のために有効であることを示していた。更に、評価値の高い実行不可能解を利用した解探索における収束性向上のアイデアを加え、多様性とパレートフロントへの収束能力を兼ね備えたアルゴリズムを考案したがプログラムのバグにより進捗が停滞していた。バグ対策は完了したが、COVID-19の影響で評価実験に遅れが生じ、2023年度中にジャーナルへの投稿を予定している。一方、研究を進める中で、解分布のエッジ解(劣解)を利用したNSGA-IIの解探索の多様性向上に繋がるアイデアが浮かび、評価実験を行い国際ジャーナルに投稿し採録された。 (2) 重みベクトルによるスカラー化関数に基づく手法であるMOEA/Dに関して、目的関数空間を分割し複数のコアに割り当てる並列化を(GPUなどの)メニーコア環境で行った場合のコア境界付近での解精度の低下を抑制するために、目的関数空間を分割する境界領域にVirtual overlapping zoneを設けて探索精度の向上を図る手法を2目的最適化問題に対して提案した。また、各コアで情報共有の必要があるIdeal Pointを、コア間で補正するための情報共有間隔を適応的に変化させることで、コア間の境界付近で解分布が疎になる現象を改善する効果があり、収束性に関しては単一CPUと同程度を維持したまま多様性を向上する実験結果を得てIEEE主催の国際会議で発表していた。しかし、目的数が3以上の場合に適用するための改善案が停滞し、均一に重みベクトルを分配する代替案を提案して評価実験に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(1) パレート優劣関係に基づく手法であるNSGA-IIに関して、評価値の高い実行不可能解を利用した解探索における収束性向上のアイデアを加えて、解分布の多様性とパレートフロントへの収束能力を兼ね備えたアルゴリズムを2020年度末に考案したがプログラムのバグにより進捗が停滞していた。バグ対策は完了したが、COVID-19の影響もあり、学生を使った評価実験が計画通りに進まずに、ジャーナルへの投稿が遅れている。一方で、研究を進める中で、解分布のエッジ解(劣解)を利用したNSGA-IIの解探索の多様性向上に繋がるアイデアが浮かび、評価実験を行い国際ジャーナルに投稿し採録された。 (2) 重みベクトルによるスカラー化関数に基づく手法であるMOEA/Dに関して、目的関数空間を分割し複数のコアに割り当てる並列化を(GPUなどの)メニーコア環境で行った場合のコア境界付近での解精度の低下を抑制するために、目的関数空間を分割する境界領域にVirtual overlapping zoneを設けて探索精度の向上を図る手法を2目的最適化問題に対して提案して国際会議で発表し、新たに、各コアで情報共有の必要があるIdeal Pointを、コア間で補正するための情報共有間隔を適応的に変化させることで、コア間の境界付近で解分布が疎になる現象を早期に改善する効果があり、また収束性に関しては単一CPUと同程度を維持したまま、多様性に関して向上する実験結果を得てIEEE主催の国際会議で発表していたが、目的数が3以上の場合に適用するための更なる工夫が課題として残っていた。解決に繋がると思われるアイデアが浮かび、更に検討を進めたが期待する評価結果が得られなかった。そのため、均一に重みベクトルを分配する代替案を考案して評価実験に着手したが、新たなアイデアの提案までに時間を必要としたために遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
(1) パレート優劣関係に基づく手法であるNSGA-IIに関しては、これまでの研究内容に加えて、実行不可能解の中で評価値の高い解を親個体の候補として利用するアイデアを活用した解探索における収束性向上の機能強化を加えたプログラムのバグ対策が終了した。早急に評価実験を行い、2023年度中にジャーナルへの投稿を行う。 (2) 重みベクトルによるスカラー化関数に基づく手法であるMOEA/Dに関しては、新たに提案した、均一に重みベクトルを分配する代替案の評価実験を、2目的および3目的の場合に行う。これまでの調査からコア当たりの個体数に解探索精度が依存する傾向を示しており、並列度と速度向上率および解探索精度の関係、コア当たりの個体数と解探索精度の関係に着目した評価を行う。本研究に関しては、2023年度中に提案するアイデアに関して簡単な評価実験を行った段階で主要な国際会議に投稿を行い、その後、今年度から始まった新たな科研のテーマ(JP22K12185)の中で、継続して評価を行い、ジャーナル投稿に繋げる。 (3) NSGA-IIとMOEA/Dに関するこれらのアイデアに関して、並行して「複数車種の同時適化のためのデータ」などの実問題を用いた評価実験から、提案手法の改善点などの洗い出しを行い、次に移住などのタイミングを利用して、共通部分を検出しながら有効活用して、高速に同時最適化する技術を探り、新たな科研のテーマ(JP22K12185)の研究促進に繋げる。また、講演会や国際会議での発表、スペシャルセッションの提案などを通して研究成果の広報に勤める。
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