研究課題/領域番号 |
19K12189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小松 孝徳 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (30363716)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヒューマン・エージェント・インタラクション / 認知科学 / 感性情報学 / モラルジレンマ / 日常的モラルジレンマ課題 / 感性ロボティクス |
研究開始時の研究の概要 |
人間とのコミュニケーションを目的としたロボットが我々の日常生活空間に急速に普及しつつある.これらのロボットはあたかも家族の一員のような立場で稼働することが想定されているが,果たして実際のユーザはそのロボットを「何者」と認識しているのであろうか.本研究課題ではこの問いに対して,ロボットが日常生活空間に普及することで起こりうる状況を想定した「日常的モラルジレンマ課題」によってユーザのロボットに対する「本音」を炙り出し,人間はロボットを「何者」と認識しているのかの把握を目指す.そしてこの結果を基にして,日常生活空間で稼働するロボットに対する新たな評価手法の提案を目指す.
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研究成果の概要 |
トロッコ問題に代表されるモラルジレンマ課題を利用することで,人間がロボットという存在をどのように認識しているのかを調査する研究が国際的に着目されている.しかし従来型のモラルジレンマ課題は日常生活では起こりえない状況を想定しているため,本研究課題では日常的に起こりうる状況を想定した日常的モラルジレンマ課題を新たに提案し,それらを用いて日常生活に普及しつつあるロボットへの人間の認識を調査する研究を行った.その結果,ロボットにしてほしいことと人間にしてほしいことは異なっているという人間の本音を明らかにすることができた一方,実際の行動に対する評価は人間でもロボットでも変わりないことが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な最新技術が急速に私たちの日常生活空間に普及しつつある一方,ロボット技術の普及はそれほど進んでいないように思われる.その原因を考えるうえで,本研究課題から得られた「ロボットにしてほしいことと人間にしてほしいことは異なっている」「ロボットは人間でも単なるモノでもない存在として認識されている」という知見はその理解の礎となるのではないだろうか.つまり,ロボット普及の妨げとなっているのは,実は「人間自身のロボットに対する認識」なのではと考えられる.よって,その認識のメカニズムを詳細に理解する研究を継続することで,ロボットが日常生活空間に普及するための大きな手掛かりが得られると期待できよう.
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