研究課題/領域番号 |
19K12194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
高橋 真 大谷大学, 社会学部, 准教授 (80508424)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 共感覚 / 比較認知 / クロスモーダル知覚 / 多感覚統合 / キンギョ / 感覚統合 |
研究開始時の研究の概要 |
人間は異なる感覚情報を統合して知覚することがある。その代表例が共感覚である。例えば、「明るい音」や「暗い音」といった共感覚的な比喩表現は、視覚と聴覚という異なる感覚が統合的に処理されていることを表す。 ヒトの共感覚的表現では、特定の組み合わせと方向性が知られている。一方、ヒト以外の種、特に、水中生活種のキンギョにも共感覚的知覚が存在する可能性が示されているが、キンギョではその方向性は検証されていない。そこで、キンギョとヒトを比較し、成立する共感覚的表現の種類と方向性がヒトと同じであるかどうかを検証する。それにより、ヒトの共感覚的知覚の進化的な起源を探る。
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研究実績の概要 |
共感覚は知覚現象であり、必ずしも言語化によって明らかになるとは限らない。むしろ、課題遂行中の別の感覚モダリティの刺激の提示による妨害効果や促進効果が生じるかどうかを見ることで、明確になる場合が多い。本研究では、共感覚の進化的起源を明らかにするため、課題遂行中の刺激提示による成績変化の有無によって、言語を用いないヒト以外の種であるキンギョにおいても共感覚が生じるかどうかを調べる。 上記の目的のために、キンギョに、特定の刺激(白)に対しては右、別の刺激(黒)に対しては左を選択する条件性弁別課題を訓練した。学習が成立した後、ヒトの場合に共感覚が生じる刺激(白と高い音、黒と低い音)とそうではない刺激(白と低い音、黒と高い音)を提示した時、キンギョにおいても妨害、もしくは、促進効果が課題成績に生じるかどうかを調べた。その結果、一致条件と不一致条件の間で統計的に有意な差が得られなかった。 上記の結果は、視覚→聴覚の妨害効果がキンギョに存在しない可能性を示すが、逆の組み合わせ(聴覚→視覚)の場合は、妨害効果が生じる可能性がある。そこで、キンギョに特定の音(4000Hzの純音)に対しては右、別の聴覚刺激(1000Hzの純音)に対しては左を選択する条件生弁別課題を訓練したのち、弁別課題遂行中に視覚刺激と聴覚刺激が一致(4000Hzに対して白色、1000Hzに対し黒色)している場合と一致しない場合(4000Hzに対して黒色、1000Hzに対して白色)で妨害効果が生じるかを調べる。 現在のところ、5個体のキンギョに対して、条件生弁別訓練を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の想定よりもキンギョの音に対する条件生弁別の訓練に時間がかかっている。その結果、統計処理を行うために十分な個体数の結果が得られていない状態になっている。
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今後の研究の推進方策 |
音刺激に対する条件生弁別訓練のノウハウがある程度確立したため、個体数を増やして訓練を行う。その上で、視覚刺激の場合のテスト結果との比較を行う。
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