研究課題/領域番号 |
19K12198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東北大学 (2021-2022) 筑波大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
安東 弘泰 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (20553770)
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研究分担者 |
藤原 寛太郎 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任准教授 (00557704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カオス制御 / 膵β細胞 / Chayモデル / Rizモデル / フィードバック制御 / 数理モデル / 膵ベータ細胞 / シミュレーション / バースト発火 / 同期 / ネットワーク / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では糖尿病における膵β細胞のインスリン分泌機能改善のための数理的アプローチとして, 以下の3ステップを実践する. 1) 機能不全細胞を数理モデル化する. 2) 正常機能を移植するという観点に基づく膵臓刺激療法を提案する. 3) 実データを用いてモデルに個体差を加味し, 機械学習による個別最適な刺激設計をする. 加えて, 機械と生体をつなぐ統合システムも視野に入れて2型糖尿病のデジタルコントロールの方法論を構築する.
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研究成果の概要 |
2型糖尿病の新たな治療法開発を目指し、オンデマンドな膵臓電気刺激のデジタル制御モデルを提案した。具体的には、血糖値を制御するインスリン分泌に関わる膵β細胞の活動を数理モデルにより表現し、これにフィードバック制御の仕組みを適用した。これにより以下の成果を得た。膵β細胞のモデルとして、確率的な振る舞いと決定的な振る舞いの両方に適用可能な制御モデルを構築し、シミュレーションによりその有効性を示した。さらに、実用性を考慮して、入力する電気刺激のエネルギー効率を最大化するパラメータを探索し、最も低コストで膵β細胞を制御可能なパラメータを見出した。以上の数値検討は実際の細胞への適用を視野に入れている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者の数は全世界で5.4億人に達しており、その9割以上が2型である。2型糖尿病は遺伝的な因子に食事などの生活スタイルが関連して発症し、膵臓におけるインスリン分泌に機能障害が生じる。本研究では、2型糖尿病の新治療開発のために数理モデリングを活用した機能不全解消法を提案した。特に、膵β細胞の律動機能の消失に対して、外部刺激による細胞活動の律動化が効果を持つと考えた。そこで、フィードバック制御法を非線形動力学のカオス制御の文脈から構築し、ヒトの膵β細胞の数理モデルに適用に成功した。本提案での手法を実際の膵臓に電気刺激として適用することができれば、薬物を利用しない新たな治療法となりうる。
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