研究課題/領域番号 |
19K12204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉山 文 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50778280)
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研究分担者 |
田中 純子 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70155266)
秋田 智之 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (80609925)
大久 真幸 広島大学, 医系科学研究科(医), 研究員 (20727250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / NAFLD / 脂肪肝 / 疫学調査研究 / 医療ビッグデータ / レセプト解析 / 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) / 自然史 / マルコフ確率モデル |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は食生活の変化、肥満人口の増加を背景に増加し、国内には1000万以上の患者が潜在するとされているが、その実態および自然史については未だ明らかになっておらず、疾病対策の構築に必要な疫学的資料は乏しい。 ビッグデータ分析は、現代社会における経済活動や社会生活において広く活用されているが、医療という実学分野においても新たな価値を創出する有益なツールとして期待されている。本研究は、医療ビッグデータ分析のための基盤と経験を有する専門研究者がチームを組み、大規模レセプト及び健診データを解析、NAFLDの実態および自然史解明に挑むものである。
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研究成果の概要 |
本研究では脂肪性肝疾患に関する新たな疫学的基礎資料を提示することを目指し、健康保険組合加入者の健診およびレセプトデータを連結した医療ビッグデータの解析を行った。 その結果、健診受診歴のある被保険者集団(685,993人)の中で、医療機関で脂肪肝と診断されている人は2.5%であること、NASH診断前肝生検実施率は6.9%であるという実態、マルコフモデルを用いた肝病態推移予測の結果、40歳(非飲酒者)『脂肪肝』を起点とし30年間追跡した場合、70歳時点で非代償性肝硬変有病率は1.6%、肝がん有病率は0.7%となること、などを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪肝は食生活の変化、肥満人口の増加を背景に増加している。脂肪肝の一部は、将来的に肝硬変・肝がんへ肝病態が進行することから、いまや世界的な公衆衛生上の課題となっている。一般に、健診受診集団における脂肪肝有病率は20-30%程度とされているが、本研究の結果から、医療機関にかかっているのはその1割程度であることが示唆された。また、数理疫学モデルを用いることで、医療機関にかかっている脂肪肝患者の肝病態推移について明らかにした。本研究成果は、脂肪性肝疾患の疾病対策構築に資する疫学的基礎資料となることが期待される。
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