研究課題/領域番号 |
19K12214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井田 厚司 東京大学, 医科学研究所, 講師 (00772493)
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研究分担者 |
岩嵜 航 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (30838959)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん / シミュレーション / 進化 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
がんはDNAに傷が入りそれが原因で細胞増殖のプログラムに異常をきたした結果、細胞が異常増殖することで起きる病気ですが、その過程で、異なるDNAの傷をもつ複数の細胞集団が生み出されることが近年明らかになっています。この現象を腫瘍内不均一生と呼びますが、本研究はがん化の過程で腫瘍内不均一生が生み出される様子をコンピュータシミュレーションを用いて再現し、それが生み出される機構を調べます。
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研究成果の概要 |
本研究ではがんの多様な進化様式を統一的に記述するシミュレーションモデルを構築、スーパーコンピューターを活用した超並列シミュレーション及びパラメータ感度分析を通じてがんの腫瘍内不均一性(ITH)生成機構の探索を行なった。その結果、いくつかの興味深い知見が引き出せた。例えば高い変異率は中立進化によって広範なITHを形成するが、がん幹細胞階層は見かけの変異率を高めることも同様に中立なITHの形成に寄与することを明らかにした。また大腸腫瘍の発生過程において観察される進化的シフトは、短時間に発生し、1つか少数の細胞に著しい体力向上をもたらす劇的な進化的イベントによって引き起こされる可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは細胞のゲノムに変異が蓄積し増殖能力、悪性度の高い細胞が進化的に選択された結果生じる進化の病気だと捉えることができる。がんはその進化能力の高さゆえ、治療によって変わった環境にも適応し容易に治療抵抗性を獲得してしまうので、がんの進化原理の理解は治療戦略を練る上でも重要な問題である。本研究はがんの進化を理解する上での数理的な基盤を提供することで、今後のがんの治療抵抗性の理解及びそれに基づいた治療戦略の開発に資すると期待される。
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