研究課題/領域番号 |
19K12221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 善幸 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70353430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | パッケージング・シグナル / 高分節型RNAウイルス / ロタウイルス / インフルエンザウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
日本では冬季に流行してヒトに重篤な風邪症状をひきおこすインフルエンザウイルスや乳幼児に下痢症状をひきおこすロタウイルスはゲノムが多数の分節にわかれており、異なるウイルス株間でゲノム分節を単位とした組換えをおこして新たなウイルス株を産生しパンデミックをひきおこすことが知られている。本研究では、これらのウイルスのゲノム塩基配列データを分子進化学的な手法や生命情報学的な手法をもちいて解析することにより、これらのウイルスにおけるゲノム分節を単位とした組換えのメカニズムを解明し、パンデミック株の産生の予測や抗ウイルス薬の開発に役立てることをめざす。
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研究実績の概要 |
本研究は、分子進化学的・生命情報学的手法をもちいて、高分節型RNAウイルスであるオルソミクソウイルス科、レオウイルス科に属するウイルスの各ゲノム分節に存在するパッケージング・シグナルを同定することを目的としている。2022年度には、2021年度に国際塩基配列データベースから抽出した哺乳類ロタウイルス241株、鳥類ロタウイルス12株について、11本のゲノム分節それぞれを用いて系統樹解析を進めた。11本のゲノム分節はそれぞれ構造タンパク質VP1-VP4、VP6、VP7、非構造タンパク質NSP1-NSP4、NSP5/6をコードしているが、VP4をコードする遺伝子分節のみにおいて、哺乳類ロタウイルスであるRVA/Buffalo-wt/ZAF/1442/2007/G10P[11]_MT234354とRVA/Cow-wt/ARG/B383/1998/G15P[11]_FJ347114のクラスターが鳥類ロタウイルスクラスター側へ、鳥類ロタウイルスであるRVA/Pheasant-tc/GER/10V0112H5/2010/G23P[37]_JX204814とRVA/Pheasant-wt/HUN/216/2015/G23P[37]_KU587856のクラスターが哺乳類ロタウイルス側へ入ってしまっており、哺乳類ロタウイルスと鳥類ロタウイルスが分岐したあと、まもなく遺伝子再集合を起こしたと考えられた。VP4はロタウイルス粒子の表面でスパイクを構成しているタンパク質であり、受容体への結合に寄与し、また宿主の免疫の標的なので免疫逃避に寄与している。近年ではワクチン導入後にDS-1バックグラウンドWa株のような、VP4とVP7という表面タンパク質のみの遺伝子再集合も観察されており、ロタウイルスには表面タンパク質のみを遺伝子再集合できるような仕組みがあるのかもしれないと考えられた。哺乳類ロタウイルスを鳥類ロタウイルスの間でのVP4の遺伝子再集合が起こった年代を推定することは興味深い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度までにインフルエンザC型・D型ウイルスにおけるパッケージング・シグナルの同定を完了し、2021年度よりあらたに始めた哺乳類ロタウイルスと鳥類ロタウイルスにおけるパッケージング・シグナルの解析においては、2022年度に思いがけず遺伝子再集合の痕跡を発見することができた。哺乳類ロタウイルスと鳥類ロタウイルスにおけるパッケージング・シグナルの解析も2023年度には完了できる予定であり、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、哺乳類ロタウイルスと鳥類ロタウイルスにおけるパッケージング・シグナルを同定するためのゲノム塩基配列の統計的解析を進める予定である。また、パッケージング・シグナルを同定するためのあらたな統計的方法を開発して、哺乳類ロタウイルスと鳥類ロタウイルスにおけるパッケージング・シグナルを同定する予定である。
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