研究課題/領域番号 |
19K12229
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (2020-2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
李 秀栄 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 AI健康・医薬研究センター, 主任研究員 (50390670)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 糖鎖クラスタ / 立体構造予測 / 分子動力学計算 / エピトープ / ラッサ熱 / ラッサウィルス / レプリカ交換法 / ウィルス / 分子動力学シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / 分子認識 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞表面の糖鎖は、クラスタを形成して個々の糖鎖分子では成し得ない高度な細胞認識を実現している。ウィルス表面糖鎖を認識するワクチンの開発も進められているが、糖鎖構造は複雑かつ柔軟性が高いため、糖鎖クラスタの立体構造情報はほとんど得られていない。本研究では、拡張アンサンブル法を用いた糖鎖計算技術に基づいた糖鎖クラスタの立体構造計算法を開発し、それを用いてウイルス表面糖鎖のクラスタ構造を解明し糖鎖クラスタの認識モデルを創出する。
|
研究成果の概要 |
細胞表面のタンパク質を覆う糖鎖は抗体や受容体の認識に関係するが、それらの立体構造について知られていることは極少ない。本研究では、典型的なモデル系としてラッサウイルスのエンベロープタンパク質を取り上げ、分子動力学計算による糖鎖集合系の立体構造計算法を確立し、糖鎖がタンパク質表面で複数のクラスタを形成し抗体結合を阻害する様子を明らかにした。得られた立体構造情報を情報学的なエピトープ予測法と組み合わせることで、既知のエピトープを再現するだけでなく、新たなエピトープ予測にも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞表面を覆う糖鎖はがんや感染症など多くの病気と関係する。しかし、複雑で柔らかい糖鎖構造を実験で見るのは未だ難しい。特に複数の糖鎖が集まった時にどの様な構造をとるかはほとんど知られていなかった。本研究成果は糖鎖集合のクラスタ形成を原子解像度で示すもので、従来仕組みのわからなかった高度な糖鎖機能を説明する新たな視点を与える。さらに、糖鎖を標的とするワクチン開発にも役立つと期待され、学術的にも社会的にも意義は大きい。
|