研究課題/領域番号 |
19K12261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
尾関 孝史 福山大学, 工学部, 教授 (40299300)
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研究分担者 |
渡邊 栄治 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20220866)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | オンライン授業 / 授業映像 / 受講状況 / Webカメラ / タブレット / つまずき点 / 動作解析 / 映像の巻き戻し / 映像の停止 / 学習支援 / オンライン授業映像 / ラーニングアナリティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、受講者の受講状況に基づいたオンライン授業映像の評価・改善システムを提案する。同システムでは、受講者の「授業映像の閲覧状況」、「受講姿勢」、「ノートの筆記状況」をログデータとして扱う。そして、得られた客観的なデータの解析をもとに、受講者のつまずき点を定量的に明らかにし、授業を行った講師に授業映像の評価・改善箇所を提供する。また、同システムを反転学習の準備学習に利用すれば、受講者のつまずき点を講師が事前に知ることができ、対面授業の際にその情報を活用することが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、「受講者の受講状況に基づいたオンライン授業映像の評価・改善システム」を提案することである。同システムでは、授業映像をオンラインで受講中の学生を対象に「授業映像の閲覧状況」、「受講姿勢」、「ノートの筆記状況」などの受講状況データを解析して、授業映像中の受講者のつまずき点を定量的に明らかにし、授業を行った講師に授業映像の評価・改善箇所を提供することである。このうち、2020年度の課題は、以下の2つであった。 (イ)受講姿勢の変動のデータ化と集中度の計測(受講者のモニタ上部にWebカメラを取り付け、受講者の状態を「モニターを正視している状態」と「筆記を含むその他の状態」の2つの状態に自動的に分類すること) (ウ)筆記状態の変化のデータ化と重要箇所の確認(タブレットを用いて、受講者が授業映像を視聴中にノートを取るタイミングを明らかにし、「ノートを取っている状態」と「ノートを取っていない状態」の2つの状態に自動的に分類すること) これに対して、2020年度は以下の研究成果を得た。 (1)受講者のノートパソコンにあるWebカメラを利用して、受講者がモニタを正視しているタイミングを自動的に取得するシステムを作成した。このシステムでは、5秒以上正視をしていない場合を未正視としている。また、各受講者からの正視状態を1秒ごとにサーバに送信し、サーバで正視状態者を1秒ごとに集計した結果をリアルタイムにグラフ表示するシステムを作成した。 (2)受講者のノートパソコンとタブレットを利用して、受講者が筆記をしているタイミングを自動的に取得するシステムを作成した。このシステムでは、5秒以上筆記をしていない場合を未筆記状態としている。また、各受講者からの筆記状態を1秒ごとにサーバに送信する。その後、サーバで筆記状態者を1秒ごとに集計し、その結果を時系列グラフでリアルタイムに表示するシステムを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響で、学生の大学への登校が制限され、予定していた学生参加の検証実験が十分に実施できなかった。このため、受講者のモニタの正視状態および筆記状態を計測し、それぞれ2つの状態を計測するシステムの作成にとどまった。その結果、作成システムの有効性の検証や受講者の顔の向きと集中度の関係を解析することには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度までに、受講者のモニタの正視状態および筆記状態を計測し、それぞれ2つの状態を計測するシステムの作成した。しかし、新型コロナウィルスの影響で学生の大学への登校が制限され、学生参加による検証実験ができなかった。 そこで、2021年度は、この作成したシステムを利用して、模擬授業映像の受講生のモニタの正視状態や筆記状態などの受講状態の計測実験を実施する。更に、2021年度は、模擬授業映像における (エ)多数の受講者のつまずき点の検出とその視覚化を実施する。具体的には以下の2つの課題を実施する。 (1)3種類の受講者データ(閲覧状況の推移、受講姿勢の変動、筆記状態の変化)から、多数の受講者が戸惑い行動をしている箇所を授業内容のつまずき点として検証する。 (2)受講アンケートによる受講者の主観的な評価と客観的な受講者データから得られたつまずき点を比較することで、提案システムの有効性を検証する。この時、相関係数や主成分分析といった統計的手法やディープラーニングといった人工知能的な手法を利用する。
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