研究課題/領域番号 |
19K12300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
伊藤 彰英 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (60273265)
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研究分担者 |
朱 彦北 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90422790)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 環境水 / 重金属 / PPCPs / 潜在的人為汚染 / MRI造影剤 / レアメタル / 希土類元素 / 水生生物 / ICP-MS / キレート固相抽出 / 下水処理放流水 / 廃棄物 / 造影剤 / 河川水 / 潜在的汚染 / ガドリニウム / 化学形態別分析 / Gd / 水生昆虫 |
研究開始時の研究の概要 |
都市域河川水中に、希土類元素の一種であるガドリニウム(Gd)の濃度異常が報告されており、その要因は病院で診断に利用されるMRIの造影剤(Gd錯体)の環境流出である。国内では2000年代初頭までは報告があったが、2010年以降はほとんど報告がない。しかし、国外では逆にGd濃度異常や関連する調査研究例が増加し、水生生物や飲料水への影響が危惧されているため、日本でもGdの環境影響を明らかにする必要がある。そこで本研究では、都市域河川水中の希土類元素の潜在的汚染の実態を把握し、その環境動態や水生生物への影響を明らかにする。さらに他のレアメタルの潜在的汚染の状況も明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年使用量が急増しているレアメタル(工業的に利用価値の高い17種類の希土類元素を含む31鉱種、47元素)の環境水中での潜在的人為汚染(ここでは環境基準値にない、または環境基準値以下の成分で、人為的な影響により濃度上昇が見られる成分を指す。)を総合的に評価するために、都市域河川水の上流から河口域までのあらゆる地点において、河川水及び下水処理放流水中のレアメタルを含む主成分元素から超微量金属元素までの網羅的多元素分析法を確立した。さらに、この分析法を多摩川河川水と下水処理放流水の分析に適用し、希土類元素を含むレアメタルの潜在的人為汚染の現状について調査を行い、その結果を環境化学的に評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの河川水中の金属元素の分析は、有害性がすでに知られている元素が中心であり、レアメタル全般に関する研究例は少ない。レアメタルの一種であるGdは、濃度異常が海外でも多数報告されているが、本研究のように、希土類元素だけでなく約50のレアメタルについて潜在的人為汚染の実態調査を行ない、さらに、潜在的人為汚染元素の水生生態系への環境影響評価を行った研究は世界的にも例がない。Gdについては、最近注目されているPPCPs汚染の生物影響評価にもつながる。さらに他のレアメタルについても、生態系や人への影響が認識された場合、水処理過程の改善、新規環境基準の策定など様々な波及効果が考えられる。
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