研究課題/領域番号 |
19K12308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日下部 武敏 京都大学, 工学研究科, 助教 (40462585)
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研究分担者 |
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 教授 (20226260)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 琵琶湖 / 細菌群集 / 増殖解析 / シングルセル解析 / 難分解性有機物 / 溶存有機物 / 難分解性溶存有機物 |
研究開始時の研究の概要 |
琵琶湖では、微生物に分解されにくい難分解性有機物が増加・蓄積しており、生態系や水利用への悪影響が懸念されている。本研究では、微生物食物網で重要な位置を占める細菌群集が、琵琶湖において微生物炭素ポンプ(MCP)を駆動することで難分解性有機物を産生しているのではないかと考えた。難分解性有機物の生成機構を深く理解するためには、活発に増殖している細菌種の同定とその寄与、季節的・空間的変動等を明らかにしなければならない。本研究では、水圏における細菌群集の増殖特性をより精密に解明することを目的に、シングルセル解析を駆使した新たな方法論を確立し、琵琶湖の物質循環に果たす細菌群集の役割を解明する。
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研究成果の概要 |
国内の湖沼において、微生物に分解されにくい難分解性有機物の増加が懸念される。本研究では、微生物食物網で重要な位置を占める細菌群集が、琵琶湖において難分解性溶存有機物を産生しているのではないかと考えた。本研究ではDNA変性処理不要で、他の手法との組み合わせ可能なEdU増殖解析法を確立し、細菌細胞ごとに細菌増殖特性の解析を行った。その結果、琵琶湖における年間の細菌二次生産量は81 ug/L/yearと推定された。細菌二次生産へ流れる炭素量は、夏季、冬季ともに一次生産量の1%程度と見積もることができ、平均的に見ると琵琶湖における炭素循環において微生物ループは主要な経路ではないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
琵琶湖では、微生物に分解されにくい難分解性有機物の増加が指摘されてきた。本研究では、微生物食物網で重要な位置を占める細菌群集が、難分解性有機物を産生していると考え、琵琶湖の物質循環に果たす細菌群集の役割を調べた。その結果、細菌二次生産へ流れる炭素量は一次生産量の1%程度と見積もられ、平均的に見ると琵琶湖における炭素循環において微生物ループは主要な経路ではないことが明らかとなった。しかしながら、細菌二次生産が活発に行われているホットスポットの存在や、細菌二次生産が炭素制限を受けていることを示唆する結果は学術的に意義があり、将来における湖沼の有機物管理にも資する研究成果であると言える。
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