研究課題/領域番号 |
19K12318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田内 広 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (70216597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | トリチウム / 突然変異 / 低線量率 / 放射線生物影響 / 低線量率影響 / 体細胞突然変異 / 低線量放射線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、低線量率トリチウム水被ばくによる確率的影響の代表として体細胞突然変異を指標とし、線量・線量率と変異の量的・質的変化の関係を明らかにする。そのために、より低バックグラウンドかつ高感度の新規の細胞実験系を樹立する。初年度には、ゲノム編集技術を用いて既存の突然変異高感度検出系を改良するとともに、低線量率トリチウム水の曝露による遺伝子突然変異の量的・質的な変化について、ヒトX染色体の解析マーカーをさらに増やすことで詳しく解析する。次年度以降は、改良された実験系を用いて、低線量率トリチウム水が誘発する突然変異の解析を行う。
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研究成果の概要 |
本課題では、低線量率トリチウム水被ばくによる体細胞突然変異について、低線量・低線量率による変異の量的・質的変化を明らかにすることを目的とした。代表者が樹立した体細胞突然変異の高感度検出系を元に、低バックグラウンドかつ高感度の新規細胞実験系の樹立を目指すとともに、低濃度トリチウムによる突然変異の詳細な解析実験に取り組んだ。新たな細胞系樹立は完了していないが、複数の候補クローンが得られており、最適なクローンの選抜を進めている。低線量率(低濃度)トリチウム水曝露による突然変異の量的・質的な変化については、詳細な変異体解析を完了し、その成果を査読付き国際学術誌に投稿して論文公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低濃度トリチウム水曝露による確率的影響の解析実験例については、実験可能な施設が限られていることや、取扱いのノウハウを継承している研究室が非常に少ないことから、データがほとんど無いのが現状である。研究代表者はトリチウム実験ノウハウを有する数少ない研究者のひとりであり、本課題の実施によって、低レベルトリチウムによる遺伝子突然変異の原因が、放射線そのものというよりも自然発生事象の増幅である可能性を示した。本課題の成果は、まだまだ未解明な点が多い低線量率放射線の生体影響について、単なる頻度ではなく質的な観点から区分できる可能性を示し、放射線被ばく影響に関する新たな考え方につながる成果である。
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