研究課題/領域番号 |
19K12319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
若杉 光生 金沢大学, 薬学系, 准教授 (80345595)
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研究分担者 |
松永 司 金沢大学, 薬学系, 教授 (60192340)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヌクレオチド除去修復 / DNA損傷応答 / 二次的DNA損傷 / DNA二本鎖切断 / ssDNAギャップ / DNA損傷応答反応 / DSB / ゲノム / シグナル伝達 / 癌 / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内におけるDNA損傷応答反応の理解は、抗がん剤や効率的な治療法を開発する上で重要である。興味深いことに、生体を構成する大部分の細胞と同様な休止期の状態ではNERの後期過程が不完全な場合があり、不完全なNERの中間体がプロセッシングを受け、2種類の二次的なDNA損傷が生成する。重要な点は、NERの基質となるDNA損傷がよりリスクの高いものに変換されていることである。しかし、その生成メカニズムや意義は不明瞭である。本研究では、NER反応の中間体に作用するヌクレアーゼを明らかにし、その欠損の影響や制御機構を解析することにより、NER反応中間体のプロセッシングの生物学的意義の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ゲノム安定性の維持に重要なヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair; NER)は、休止期ではその後期過程が完了しない場合がある。それが原因で二次的なDNA損傷が生じるが、その生成機構や修復系、そして生物学的意義は不明である。本研究では、二次的DNA損傷のうち二本鎖切断(DNA double-strand break; DSB)には非相同末端結合が機能し、細胞死を抑制することを明らかにした。また、二次的DNA損傷がゲノム不安定性を誘発する結果を得た。そして、NER反応中間体にヌクレアーゼが作用することでDSBが生成し、複数のヌクレアーゼが関与することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、紫外線ではDNAにゆがみを生じる塩基損傷のみが生成し、S期以外の時期では最も重篤なDSBは生じないことが定説であった。一方で我々の実験結果は、休止期の細胞では紫外線によってもDSBが生成することを示していたが、そのメカニズムが不明であった。本研究においてその生成に関与するヌクレアーゼを同定し、そのメカニズムの一端を明らかにすることができた。また、「DNA損傷に対する防御機構であるDNA修復系が、その基質となる損傷をよりリスクの高いものに変換する」という生体特有の反応が遺伝的不安定性を引き起こす要因となりうることを示し、その修復系が重要な役割を果たしていることを実証した。
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