研究課題/領域番号 |
19K12324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
白石 一乗 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40347513)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / 放射線感受性 / 放射線影響 / 胎児被ばく / DNA損傷 / 放射線応答 / DNA修復 / アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マウス発生中のニューロンでゲノムの再編成がおこなわれることが報告されている。本申請では、「ゲノム再編成を行う幼若ニューロンは放射線高感受性である」ことを証明する。この目標達成のため、X線被ばくしたICRマウス10~18日胚の脳組織内神経幹細胞とニューロンについて、(1)生体内の幼若なニューロンの放射線感受性、(2) ニューロン発生時期とゲノム再編成の関係、(3) ゲノム再編成DNA非相同末端結合(NHEJ)活性依存性。課題(1)、(2)については、NHEJ修復過程に必須な遺伝子DNA Ligase 4(LIG4)変異マウスでも行う。
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研究成果の概要 |
胎児線条体の放射線感受性を明らかにするため、放射線修復動態とアポトーシス活性を測定した。その結果、神経幹細胞と神経細胞のDNA修復活性は同等であり、照射後6時間までにDNA修復が完了することが示された。神経幹細胞を含む領域では、照射後 3 時間で Caspase3 活性化細胞が出現し、神経細胞を含む領域では、照射後 8時間で Caspase3 活性化細胞が出現した。この遅延型カスパーゼ活性化は神経細胞で見られ、細胞死を引きおこしていた。の発達期の中枢神経系におけるアポトーシス関連遺伝子の制御の違いは、照射後の細胞の運命に関連している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の報告で、胎児線条体における幹細胞と神経細胞はDNA2本鎖切断損傷に対して、同等の修復活性を持つことが示された。その一方で、細胞死を指標とした放射線感受性は異なることが示された。この感受性の違いは、アポトーシス関連遺伝子であるcaspase-3の活性化の関与によるものであることが示唆された。胎内被ばくにおける、神経幹細胞と新生ニューロンの感受性を明らかにすることは、放射線の潜在的リスクを考える上で重要な知見となる。
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