研究課題/領域番号 |
19K12328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
香川 亘 明星大学, 理工学部, 教授 (70415123)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DNA二重鎖切断修復 / DNA修復経路 / single-strand annealing / 反復配列 / ミスマッチ塩基対 / DNAアニーリング反応 / RAD52 / 二重鎖切断修復 / DNA二重鎖切断 / 相同組換え修復 / ミスマッチ |
研究開始時の研究の概要 |
DNA修復はゲノムに変異が生じる危険性を伴う。DNA二重鎖切断を修復する経路はいずれも細胞にとって致死的なゲノムの再編成が起こる可能性があり、細胞の生存のためには、適切な二重鎖切断修復経路の選択が重要である。本研究では、二重鎖切断を修復する複数の相同組換え修復経路がどのように使い分けられているかを明らかにするために、経路選択の初期の段階で起こると考えられるsingle-strand annealing(SSA)の分子機構を明らかにする。本研究によって、これまで解析することが困難であったSSAの解析手法の確立や、不適切なDNA修復によって発症・進行するがんに対する創薬研究が進むことが期待される。
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研究成果の概要 |
DNA二重鎖切断は染色体の分断を意味する重篤な損傷であり,細胞にはこれを修復するための機構が複数種類存在する。本研究では,ヒトゲノムの大半を占める反復配列で生じた二重鎖切断を修復するSSA(single-strand annealing)の分子機構に着目した。細胞内でのSSAを検出する実験系と,試験管内でSSAを再現した実験系を用い,ミスマッチ塩基対やRAD52の発現量がSSAの効率に及ぼす影響を解析した。その結果,RAD52が過剰に存在すると正確性の低いSSAが促進されることがわかった。さらに,RPAによって正確性の低いアニーリング反応が抑制されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RAD52はがん細胞において過剰発現し,がんの発症と進行に関わっていることが指摘されている。抗がん剤の開発を目的としたRAD52の阻害剤の探索は世界的に行われているが,RAD52の分子レベルでの機能は未だ不明な点が多い。本研究で明らかにしたRAD52による不正確なDNAアニーリング反応は,がん細胞におけるゲノム不安定性と関係している可能性が考えられ,このメカニズムの理解は学術的に意義があるだけでなく,がん治療開発の観点からも意義深い。
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