研究課題/領域番号 |
19K12330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 公益財団法人環境科学技術研究所 |
研究代表者 |
杉原 崇 公益財団法人環境科学技術研究所, 生物影響研究部, 主任研究員 (50715472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 低線量率放射線 / インスリン抵抗性 / 3T3-L1細胞 / 脂肪細胞分化 / 遺伝子発現 / マウス / ROS産生 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は「マウスへの低線量率(20mGy/日)放射線連続照射はインスリン抵抗性を惹起する」という結果を得た。「肥満が引き起こすROS(活性酸素)産生亢進がインスリン抵抗性惹起に重要である」という知見と、「低線量放射線照射によってROS産生が亢進する」という知見が報告されていることから、低線量率放射線照射によって惹起されるインスリン抵抗性はROS産生亢進によるものではないかと考えた。そこで、本課題では、低線量率放射線照射されたマウス及び細胞の分子生物学的解析を行うことにより、低線量率放射線照射によるインスリン抵抗性惹起機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
B6C3F1メスマウスに低線量率放射線を照射すると高率で脂肪肝を発症するが、これには照射によるROS産生とこれに伴うインスリン抵抗性(IR)の惹起等の代謝変化が関係していると仮説を立てた。本研究では、3T3-L1細胞が脂肪細胞に分化する系を用い解析を行った。照射された細胞では、ROS産生に関わる遺伝子及び脂肪細胞分化に関与する遺伝子の両者が発現増加した。このうち、脂肪細胞分化に関与する遺伝子発現はDNAメチル化により制御されていた。また、別系統マウス(C3H)においても、照射によりIRが惹起されることが確認できたため、本研究で着目した事象は系統差によらないメスマウスで一般的な事象と考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
福島第一原子力発電所事故などにより大きな関心が寄せられている低線量率放射線長期被ばくの健康影響を明らかにするためには、高線量率放射線の影響の研究のみでは不十分である。近年、低線量率放射線がとりわけ代謝に対して特徴的な影響を与える可能性が、国外の他の研究グループによっても指摘されるようになってきていることは、本研究の学術的、社会的な意義を浮き彫りにしていると考えている。
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