研究課題/領域番号 |
19K12336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
鶴岡 千鶴 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響予防研究部, 主任研究員 (60415411)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 放射線発がん / 線質の違い / 基底細胞がん / 放射線線質の違い / 放射線線質 / 発がん / 線質 |
研究開始時の研究の概要 |
人の生活に関連する放射線被ばくの影響では「発がん」が最も重要である。放射線の種類が異なると生物効果は異なるため、それら放射線の発がんリスク評価を行うことは必須である。 本研究では、ガンマ線や他の放射線を照射したがん原因遺伝子のノックアウトマウスから発生した腫瘍を用い、放射線の種類が異なることによる発がんリスクおよびメカニズムの違いを明らかにする。具体的には、ガンマ線、中性子線、重粒子線(炭素線)を照射したPtch1遺伝子ヘテロ欠損マウスを終生飼育し、発生したがんのゲノム解析を行う。
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研究成果の概要 |
被ばくによる晩発影響では発がんが重要であり、放射線の線質ごとに発がんリスク評価を行う必要がある。我々は放射線発がんモデルのPtch1遺伝子ヘテロ欠損マウスを用いガンマ線、速中性子線、炭素線誘発がんの特徴を調べた。肝、肺、脾、皮膚、筋などの臓器に腫瘍の発症を認め、特に肝、脾、皮膚、筋は放射線により増加傾向を示したが、線質には依存していないことを明らかにした。皮膚腫瘍について病理診断をした結果、基底細胞がんであった。炭素線と速中性子線では斑状強皮/硬化型と微小結節型の傾向が高く、線質によっては予後の悪い組織型を発症することが示唆された。しかし分子学的解析からは放射線特異的な特徴は観察されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線の線質が異なると生物効果は異なり、それら放射線の発がんリスクを正確に評価することは必須である。被ばくによる疫学研究にはさまざまな不確実性があり、さらに多様な種類の放射線による知見を得ることは困難である。そのため、動物実験を用いてさまざまな放射線の発がんリスク、臓器依存性、メカニズムの解明をすることは、将来的に被ばくをした時の発がん予測に役立つとともに、発がん予防法開発に貢献できる基礎データとなりうる。
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