研究課題/領域番号 |
19K12337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
藤本 浩文 国立感染症研究所, 品質保証・管理部, 室長 (60373396)
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研究分担者 |
小池 学 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 上席研究員(定常) (70280740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNA二本鎖切断修復 / Ku70 / アセチルリジン / 核移行シグナル(NLS) / Importin / 分子シミュレーション / 核移行シグナル (NLS) / 核移行シグナル(NLS) / アセチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
電離放射線や代謝によって生じるDNA損傷のうちDNA二本鎖切断 (DSB)は最も重篤な損傷の一つであると考えられる。KuはDSBを認識しDNA末端に結合するタンパク質であり、DSBが発生すると速やかに細胞質から核に移行しDSB発生箇所に集積することが知られている。これまで我々のグループではKuのサブユニットであるKu70の核移行シグナル(NLS)がアセチル化されるリジン残基が集中している領域に存在することを確認した。本研究では、Ku70の細胞内局在がNLS領域のリジン残基のアセチル化/脱アセチル化によって制御されている可能性を主に分子細胞生物学的、計算化学的手法を用いて検証したいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では、DNA二本鎖切断修復酵素Ku70の細胞内における核移行を制御する機構を、主に分子細胞生物学的、計算化学的手法を用いて検証した。Ku70の核移行シグナル(NLS)の特定のリジン残基をグルタミンに置換すると野生型に比べてKu70の核局在性が顕著に減少することが判明した。さらに、Ku70 NLS中のリジン残基をアセチルリジンに置換すると、Ku70 NLSと核輸送タンパク質との結合力が減少することも確認された。これらの結果は、Ku70の核移行がKu70 NLSの特定のリジン残基のアセチル化によって制御されている可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Ku70が結合する核輸送タンパク質が認識可能なNLSは、Kuのもう一方のサブユニットであるKu80や他のNHEJコンポーネントにも存在している。Ku70の核移行がNLS中のリジン残基のアセチル化によって制御されているとすれば、Ku80を含む他のNHEJ関連タンパク質においても同様の解析を行うことで、NHEJ経路によるDSB修復の過程を詳細に追跡できると期待される。また、実験結果をシミュレーションによる理論的計算によって検証することで、これまで再現が困難であった翻訳後修飾によるタンパク質の構造や機能の変化を解析するための新たな研究手段を確立できると考えている。
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