研究課題/領域番号 |
19K12339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐々 彰 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (10738347)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNA損傷 / ゲノム不安定性 / DNA修復 / 突然変異 / RNA前駆体 / リボヌクレオチド / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内のリボヌクレオチドは、エネルギー産生の基質やRNA前駆体として必須である一方で、DNA複製中にDNA前駆体と間違われてゲノムに取り込まれることがある。その頻度は、細胞あたり実に100万分子にもなり、適切に除去されなければ極めて深刻な神経変性疾患や発がんの引き金になると言われている。本研究は、リボヌクレオチドによってゲノムにいかなる異常が、どの様な機構を介して引き起こされるかを問い、リボヌクレオチドの蓄積による疾患の発症機構を紐解く。
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研究成果の概要 |
細胞内のリボヌクレオチドは、エネルギー産生の基質やRNA前駆体として必須である一方で、DNA複製中にDNA前駆体と間違われてゲノムに取り込まれることがある。本研究では、リボヌクレオチドの蓄積が引き起こすゲノム不安定化に着目し、その抑制ならびに誘発に関わる分子機構をそれぞれ明らかにした。第一に、ヌクレオチド除去修復が酸化リボヌクレオチドに対して除去修復活性を持つことを新たに同定し、実際に細胞内で変異の抑制を担うことを示した。第二に、DNA中のリボヌクレオチドを起因とした突然変異誘発には、チロシルDNAホスホジエステラーゼを介した修復が関与することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA中に取り込まれたリボヌクレオチドはDNA複製の妨害や染色体異常を引き起こし、深刻な神経変性疾患の発症や細胞のがん化につながることが報告されている。本研究において示唆されたゲノム不安定化の抑制及び誘発のメカニズムは、疾患発症の仕組みを明らかにするための分子基盤になると共に、治療法の開発につながる重要な知見となり得る。
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