研究課題/領域番号 |
19K12341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
栗田 尚佳 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00746315)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メチル水銀 / エピジェネティクス / 神経分化 / 神経突起 / DOHaD |
研究開始時の研究の概要 |
近年、胎生期環境と成人期疾患発症との関連が懸念されている。特にメチル水銀は、現在、魚介類摂取を介した胎児への低濃度曝露影響が懸念されている。これまでに低濃度MeHg曝露による神経発達影響とエピゲノム攪乱を見出してきた。本研究は、低濃度MeHg曝露影響を見出したヒトin vitro神経分化系およびマウスin vivo実験系を用い、さらなるエピジェネティクスメカニズムを解明する。特に、 ①神経突起伸長などの表現型とエピゲノム変化との因果関係 ②エピゲノム変化によって調節される表現型変化を引き起こす標的遺伝子群の探索 ③低濃度MeHgの直接的な標的分子の探索 の3点について重点的に検討する。
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研究成果の概要 |
現在、妊婦の魚介類摂取による低濃度メチル水銀(MeHg)の胎児神経発達への影響が懸念されている。本研究では、in vitro神経分化系を用いて神経分化における低濃度MeHgの神経影響とそのエピジェネティクスメカニズムを検討した。MeHgの神経突起伸長抑制にDNMT1とHDAC3および6の上昇を介したエピゲノム変化が重要であることを見出した。さらに、MeHgの神経突起伸長抑制と神経活動低下に関連する標的遺伝子としてNR4A1を見出し、NR4A1遺伝子プロモーター領域のヒストンH3アセチル化の低下、DNAメチル化の上昇と、それに伴うCREBのNR4A1遺伝子プロモーターへの結合阻害を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、未だ世界レベルでは、議論の余地が残っている低濃度MeHg曝露による胎児への影響について、新たな科学的知見を与えるものである。また、本成果で見出されたエピジェネティクスに注目した分子メカニズムの知見は、今後の胎盤を通過する新たな化合物の神経分化への影響の毒性影響や分子メカニズムを予測する上で、役立つと考える。
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