研究課題/領域番号 |
19K12342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
立花 研 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 准教授 (10400540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ナノ粒子 / DNAメチル化 / エピジェネティクス / 神経幹細胞 / 慢性炎症 / 胎児期曝露 / トキシコロジー |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ粒子は産業の発展に寄与している一方で、様々な健康影響の原因となる。これまでに、胎児期のナノ粒子曝露が成長後の脳機能障害を引き起こすことが示されている。ナノ粒子の健康影響には慢性炎症が関わると考えられているが、慢性炎症と健康影響をつなぐメカニズムは解明されていない。DNAメチル化は胎児の発生に必須の遺伝子発現制御機構であり、慢性炎症によってその異常が蓄積される。このことから、ナノ粒子曝露による慢性炎症がDNAメチル化異常を引き起こし、脳機能障害の原因になると考えられる。本研究では、ナノ粒子曝露による慢性炎症が引き起こす神経幹細胞のDNAメチル化異常を調べ、脳機能障害との関わりを検討する。
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研究成果の概要 |
ナノ粒子曝露による生体影響には、ナノ粒子が貪食細胞に取り込まれることで生じる慢性炎症が関わると考えられている。ナノ粒子胎仔期曝露が脳神経系に影響を及ぼすことが報告されているが、その発生メカニズムの解明のためには慢性炎症が神経幹細胞に及ぼす影響を解明することが重要である。 本研究では、ミクログリア様細胞株MG5を用いて、シリカナノ粒子曝露により発現変動する炎症性サイトカインについて検討を行った。その結果、3日間にわたって複数の炎症性サイトカインの発現量が増加することを見出した。今後、これらの炎症性サイトカインが神経幹細胞のDNAメチル化に及ぼす影響を検討する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ粒子は、その特有の性状から光触媒、化粧品、種々の工業製品、食品など様々な分野で利用されている。一方で、これらのナノ粒子の毒性については未解明の部分が残されている。我々は、これまでに様々なナノ粒子の妊娠期曝露が児の脳神経系の機能に影響を及ぼすことを明らかとしてきた。しかし、その健康影響の発生メカニズムはまだ不明な部分が多い。 本研究はナノ粒子により生じる慢性炎症に着目し、ミクログリアにおいて発現量の増加する炎症性サイトカインについて検討したものである。本研究で見出された炎症性サイトカインについて、脳神経系に引き起こす健康影響を検討することでナノ粒子の毒性の回避につながることが期待される。
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