研究課題/領域番号 |
19K12348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
赤木 純一 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (60512556)
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研究分担者 |
横井 雅幸 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (00322701)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アクリルアミド / グリシドアミド / 損傷乗り越えDNA合成 / 突然変異 / 遺伝毒性 / 変異原性 / DNA損傷 / 食品汚染物質 |
研究開始時の研究の概要 |
アクリルアミドは国際がん研究機関発がん性分類において2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類される遺伝毒性発がん性物質であり、炭水化物を多く含む食品の加熱調理により非意図的に生成することから食品安全上の重要な課題となっている。本研究ではアクリルアミドの慢性曝露による影響の中でも特に懸念すべきハザードである遺伝毒性(DNAや染色体の構造または塩基配列を変化させる毒性)に焦点を当て、アクリルアミドの活性代謝物であるグリシドアミドのN7位デオキシグアノシン付加体による遺伝毒性・突然変異誘発機序を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒト細胞においてアクリルアミド誘発突然変異に寄与するDNAポリメラーゼを明らかにするため、Polη、Polι、Polκ、およびREV1のノックアウト細胞を作出し、アクリルアミドの活性代謝物であるグリシドアミドN7位dG付加体(GA7dG)の安定化アナログ(GA7dfG)における部位特異的突然変異頻度を測定した。その結果、GA7dGにより誘発される点突然変異の少なくとも一部にはPolκおよびREV1を介した損傷乗り越えDNA合成が関与し、これらによりGA7dG部位におけるG:C > A:T および G:C > C:G点突然変異が誘発されることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アクリルアミドは食品の加熱調理により非意図的に生成する遺伝毒性発がん性物質である。本研究ではアクリルアミド曝露により生じる主要なDNA損傷であるGA7dGによる点突然変異に、損傷乗り越え型DNAポリメラーゼであるPolκおよびREV1が直接寄与することを見出した。これらの知見はアクリルアミドによる突然変異誘発のメカニズムに新たな知見を与えるものであり、食品中の変異原に起因する継続的な変異負荷の理解に有用であると考えられる。
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