研究課題/領域番号 |
19K12360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 公益財団法人環境科学技術研究所 |
研究代表者 |
綾部 慈子 公益財団法人環境科学技術研究所, 生物影響研究部, 任期付研究員 (70546994)
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研究分担者 |
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
川口 勇生 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線防護情報統合センター, 主任研究員(定常) (70392222)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 放射性セシウム / 被ばく吸収線量 / 放射線影響 / 福島 / 森林 / ジョロウグモ / 被ばく線量評価 / 節足動物 / 放射性核種 / 汚染 / 被ばく線量 |
研究開始時の研究の概要 |
2011年の福島第一原子力発電所事故の発生、及び青森県六ケ所村の大型再処理施設の竣工を2021年に控え放射性核種による汚染と放射線被ばくへの関心が高まっている中,科学的知見の積み上げを通じて安心醸成に資する必要がある。本研究は,ジョロウグモをを用いて,福島事故で放出された放射性セシウム及び大型再処理施設から排出される放射性核種を対象に,(1)複数の性質の異なる放射性核種における環境中から生体内への時空間的な放射性物質の取り込み特性を明らかにするとともに,(2)被ばく線量を評価し,過去の照射実験による影響データとの比較を行うことにより,放射性核種や放射線が周辺環境に及ぼす影響を統合的に解明する。
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研究実績の概要 |
2011年の福島第一原子力発電所事故以降、放射性核種による汚染と放射線被ばくへの関心が高まっている中、青森県六ケ所村の大型再処理施設の竣工を2022年 (2021年上期から1年延期) に控え、科学的知見の積み上げ及びそれらの情報提供を通じて安心醸成に資する必要がある。福島では、野生生物への影響として節足動物において奇形報告があるものの、検証に必要な被ばく吸収線量等の研究データや知見は極めて限られており、奇形が出現するのかについては様々な議論がある。そのため、身近な節足動物の汚染及び被ばく線量評価は科学的・社会的意義において重要な課題といえる。本研究は、捕食性節足動物のジョロウグモを放射線による環境影響の指標生物とすべく、福島で放出された放射性セシウムに留まらず、原子力関連施設から通常排出される放射性核種も対象に、ジョロウグモという同一生物種の野外データに基づいて、(1) 複数の性質の異なる放射性核種における環境中から生体内への時空間的な放射性物質の取り込み特性を明らかにするとともに、(2) 被ばく線量を評価し、過去の照射実験による影響データとの比較を行うことにより、放射性核種や放射線が周辺環境に及ぼす影響を統合的に解明する。2020年度は、福島県の汚染森林において土壌及びジョロウグモの採取を行い、放射性セシウム汚染に関するデータを取得した。また、2016年度に福島県内の汚染地域9地点で取得したデータを用いて、ジョロウグモの内部及び外部被ばく線量をERICA Tool 1.3を用いて計算した。9地点のうち、原発から11 km程離れた地点の被ばく線量が1.0 mGy/dayと高かったが、各採取地点の特性や除染の影響のため、必ずしも原発~採取地点間距離と被ばく線量が相関しているわけではなかった。この被ばく線量は、過去の照射実験結果と比較して、影響が出るレベルではない事が判明した。
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