研究課題/領域番号 |
19K12363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 国立研究開発法人土木研究所 |
研究代表者 |
岩崎 慎介 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員 (20834518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | マイクロプラスチック / ストークス・ドリフト / 三次元粒子追跡モデル / 長江河川 / 東シナ海 / 波浪モデル / 海洋プラスチック / ストークスドリフト / 粒子追跡モデル / 数値モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、世界屈指の大河川である長江からのマイクロプラスチック(MP)の海洋流出量が、世界で最も多いことが報告されている。海洋を漂うMPは、その殆どが海洋表皮層に浮遊しているため、その輸送過程を考える場合、海洋皮表層での輸送系の情報が必須となる。しかしながら、従来の海洋学においては表皮層の輸送系に対する知見は少なく、これまでの海洋循環モデルに、その効果は組み込まれていない。本研究では、既存の海流データに、表皮層の輸送系(風波に伴う質量輸送)を加えた、新たな数値モデルを開発し、長江から海洋に流出した浮遊MPの輸送過程を解明し、東アジア周辺海域や海岸におけるMP集積域の特定を試みる。
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研究成果の概要 |
海洋表皮層の輸送系を組み込んだ新たな数値モデルを開発し、長江河川から流出する様々なサイズの海洋プラスチックの輸送過程を調べた。その結果、プラスチックの挙動は、そのサイズによって大きく異なることが分かった。小さなプラスチックは、従来の海流系に従って、長江河川の北東域に位置する日本周辺の海域へ輸送されるが、大きなプラスチックは、風や波の影響を受けて東シナ海や中国沿岸域に留まりやすくなることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々なサイズのプラスチックの輸送過程を通して、これまで着目されてこなかった表皮層の輸送系が、従来の海洋物理学に基づいた海流系と大きく異なっていたことを明らかにした点は、学術的に価値が高いと言える。また、この研究では、海洋表皮層を漂う物体としてプラスチックを対象としているが、流れ藻を含むニューストンであっても取り扱いはかわらないと考えられる。したがって、従前の海流情報では説明がつかない新たな海洋生物の輸送系解明にも波及すると期待されるため、社会的にも大きな意義があると考えられる。
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