研究課題/領域番号 |
19K12376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 神戸市健康科学研究所 |
研究代表者 |
中西 典子 神戸市健康科学研究所, 感染症部, 副部長 (50615490)
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研究分担者 |
野本 竜平 神戸市健康科学研究所, その他部局等, 副部長 (60642238)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | レジオネラ属菌 / アメーバ / 全ゲノム解析 / RNA-Seq / 比較ゲノム / アメーバ類 / 増殖能 / 菌種間相互作用 / 比較ゲノム解析 / RNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
Legionella pneumophila以外のレジオネラ属菌の環境中の挙動は不明な点が多い。本研究では、アメーバ内のレジオネラ属菌種間の相互作用に着目し、種々のアメーバを用いた感染実験により生存能や増殖能を解析し、オミクス解析によるアメーバ内のレジオネラ属菌の挙動を分子レベルで明らかにする。さらに、ゲノムワイドな多株比較解析からレジオネラ属菌種間のゲノム上の可動性遺伝領域の構造比較や組換えの実態を明らかにすることで、生活環境下に存在するレジオネラ属菌が高病原性になるリスクを評価する。
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研究実績の概要 |
本研究では、アメーバ内のレジオネラ属菌種間の相互作用に着目し、アメーバ内での動態およびゲノムワイドな多株比較解析からレジオネラ属菌種間のゲノム上 の可動性遺伝領域の構造及び組換えの実態を明らかにし、さらにオミクス解析によるアメーバ内のレジオネラ属菌の挙動を分子レベルで明らかにする。 本年度は、レジオネラ症が発生した施設について、施設環境調査でL.pneumophilaSG1,SG2,SG3,SG6,SG10, L.maceachernii,L.londiniensisが分離された。また、宿主アメーバとして、Hartmannella.sppとVermamoeba vermiformisを検出したことから、これらの宿主アメーバに寄生することで施設の消毒を逃れていた可能性が考えられた。さらに、同一患者から分離された株をすべてゲノム解析したところ、SNVは0~41個の範囲で多様性があり、同時に複数の遺伝系統に暴露されたことが示唆された。 2018年、2019年に種々の環境から分離して室温放置していた無栄養寒天培地からAcanthamoeba、Hartmannella、Naegleriaが発育してくることを確認したが、液体培地での増殖には至っていないので、無菌化条件や様々な液体培地を検討する必要がある。また、種々の環境からL. pneumophilaとともに分離されたレジオネラ属菌の代表株である浴槽室由来のL. londiniensis、L. israelensis、L. micdadei、L. cherrii、L. rubrilucens、冷却塔由来のL. rubrilucens、L. anisa、土壌由来のL. longbeachaeについてNanoporeを用いて完全長配列の決定を進めた。 今後、宿主アメーバ標準株および種々の環境から分離したアメーバ内でのレジオネラ属菌の挙動を把握するためにオミクス解析を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、対応が必要な業務量が増加し、当所予定していた本研究のエフォートが確保できなかった。ゲノム解析は進めたものの、実験も引き続き検討が必要であるため、遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの計画の遅れを取り戻すために、下記の項目について集中的に実施する予定である。 種々の環境から分離したアメーバの液体培養を行う。アメーバ内でのレジオネラ属菌の挙動を把握するためにオミクス解析を実施する。さらに、アメーバ内におけるレジオネラ属菌異種間相互作用について、多株比較ゲノム解析からゲノム上の可動性遺伝領域(MGEs)の構造比較や組換えによるゲノムのモザイク化についても解析し、レジオネラゲノム上の組換えに関するホットスポットを明らかにする予定である。
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