研究課題/領域番号 |
19K12379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
片岡 良太 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00635104)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Cucumber / endophytic bacteria / Plant growth promoting / phytoremediation / 植物内生細菌 / 植物生長促進効果 / キュウリ代謝 / 植物生育促進内生細菌 / ウリ科植物 / Curtobaerium属菌 / Microbacterium属菌 / 残留性有機汚染物質 / ファイトレメディエーション / Brevibacillus属菌 / Paenibacillus属菌 / Bacillus属菌 / 植物生育促進微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
「ウリ科植物のPOPs吸収力をウリ科植物生育促進細菌と有機酸生産菌を導入する複合微生物系で機能強化できるか?」という学術的問いを設定し、パキスタンで問題となっているDDT汚染土壌を浄化するための学術的エビデンスを得る。そのために、ウリ科植物に対する植物生育促進微生物を選抜し、促進メカニズムを解明する。そして、DDTの植物吸収に与える微生物効果をRNA-seq等の網羅的解析から検証し、微生物が関与するDDT吸収促進メカニズムを明らかにする。さらに、ウリ科植物のDDT吸収を促す方法として微生物を利用した土壌中DDTのバイオアベイラビリティー向上についても検討する。
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研究成果の概要 |
キュウリ体内における内生細菌の多様性を培養法および非培養法で調査した。キュウリ内部には特定の細菌が常に存在し、ある種においてはキュウリによる選択を受けている可能性があった。また、キュウリの葉柄から約300の内生細菌株が分離され、PGPの可能性が調査された。 PGPは分離株の中で優勢な特徴を示した5株を選抜し、ポット実験を使用してさらに調査した。菌株4と227が特に優勢であり、同時に野外実験においても果実の数と成長を増加させることが確認された。両菌株間では共通のPGP特性を示していたが、メタボローム解析を実施したところ、植物生長促進効果に対するメカニズムは根本的に異なることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DDTとPCP(ペンタクロロフェノール)で汚染された土壌を植物と微生物を用いて浄化するための新しい浄化技術が提案された。つまり、土壌中に低濃度かつ広範囲に広がる汚染を効率よく効果的に除去するために植物を用いた除去(ファイトレメディエーション)に加えて植物の生育を促進する内生細菌を組み合わせることで、ファイトレメディエーションの強化を図るものである。ファイトレメディエーションを微生物で機能強化した新たな汚染物質除去技術は、ファイトレメディエーションに寄与する内生細菌の多様性解析から分離・選抜、機能解析を通じて植物‐微生物間相互関係や微生物の生存戦略などに関する興味深い知見を与えるものである。
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