研究課題/領域番号 |
19K12387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
塩月 雅士 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (30362453)
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研究分担者 |
岩村 武 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (10416208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 気体分離 / 高分子膜 / ポリチオフェン / ポリピロール / ポリフラン / 複素環 / 二酸化炭素分離 / 気体分離膜 / 気体透過 / 気体選択 / 自立膜 / 選択的気体透過膜 / 塩基性固体 / 気体透過材料 / 二酸化炭素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「分子ふるい」を可能とする機能膜材料の開発を行い,最終的には,得られる膜を用いた温室効果ガス分離システムを構築する.従来の気体分離膜材料は,透過ガスの選択性と透過性を両立させることは難しかったが,本研究では新たに剛直かつ塩基性の固体材料を設計しこれを気体分離膜材料として用いることで従来の膜材料を凌駕する新たな機能性膜を創成する. 開発する新規材料には多数のヘテロ原子と多重結合を導入し,これにより塩基性かつ剛直な材料となるよう分子設計を行った.このようなコンセプトで設計された気体分離膜は特に酸性ガスである二酸化炭素の分離に有効であると考えられる.
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研究成果の概要 |
本研究では,温室効果ガスを効率的に気体分離するための気体透過膜材料の開発を行い,複素環化合物からなるポリマーを新たに膜材料とすることで従来の性能を上回る気体分離膜を見出した.複素環モノマーとしてはピロール類のほか,チオフェン類,フラン,あるいはそれらを共重合体モノマーとして用いており,これらを強酸触媒存在下で重合することで直接的に気体分離膜を合成することができる.これらの膜材料の特徴としては,気体透過性能そのものは比較的従来の膜材料に比べ低いものの,気体分離性能が極めて高く,結果としてこれまでの上限値(Robeson’s upper bound)を超える材料を新たに開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,地球規模で問題となっている温暖化現象の対策として温暖化ガスの回収は極めて重要である.本研究で開発した気体分離膜は混合ガスからの任意の期待の効率的分離を可能とするものであり,現在強く求められている技術の一つである.今回開発した新規の膜については温暖化ガスの一つである二酸化炭素の分離を当初の分離対象として膜材料を設計,開発してきたが二酸化炭素の分離能は従来のものと同等泥土となったが,その一方で窒素N2に対する酸素O2の分離能が極めて高いことが明らかとなった.当初の意図とは異なる結果ではあったが,結果は分離膜開発における分子設計指針を与える有意義なものであった.
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