研究課題/領域番号 |
19K12391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山崎 博人 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20300618)
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研究分担者 |
喜多 英敏 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授(特命) (10177826)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | フェノール類環状オリゴマー / ガス分離膜 / 気体透過性 / 理想分離係数 / CO2ガス分離 / イソシアン酸オクタデシル / 二酸化炭素分離 / 酢酸セルロース / ポリエーテルスルフォン / 環境負荷低減技術 / 保全修復技術 / 二酸化炭素排出削減 / 反応・分離工学 / 高分子構造・物性 |
研究開始時の研究の概要 |
膜素材の中で高分子膜は製膜性・生産性・経済性・高速透過性といった多くの利点をもちながらも、無機膜に比べ分離性が低い欠点をもつ。そこで、CO2ガスを捕捉する環状オリゴマーを組み込んだガス分離膜を見出し、この欠点を克服する。本研究では耐熱・耐水性に優れ、CO2取込構造をもつフェノール類の環状オリゴマーを用いた、膜厚50μm以下のガス分離薄膜を開発する。具体的には、ⅰ)フェノール類環状オリゴマーを高分子膜体中へ均一分散した高分子膜、ⅱ)フェノール類環状オリゴマーをエチルエステル化等により化学修飾した分離膜、ⅲ)化学修飾したフェノール類環状オリゴマー薄膜を炭化させた炭素膜、の3種類の分離膜を研究する。
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研究成果の概要 |
高分子分離膜の創成のため、CO2分子を捕捉でき、かつ、結晶サイズが1μm未満と小さく薄膜化が可能なフェノール類の環状オリゴマー(Noria)に着眼し、ⅰ)N-メチルピロリドンなどの特殊溶媒に溶解後、高分子膜中に均一に分散、ⅱ)Noria中のフェノール水酸基を化学修飾し、それ自身で薄膜化、を検討した。 ⅰ)ではポリマー鎖がNoriaの細孔を塞ぎ、気体透過性能の低下が現れた。ⅱ)では種々のアルキル鎖の導入を試みたが、強靱な自立膜を得られなかった。α-アルミナ管状支持体に化学修飾Noriaを塗布した管状膜を調製したが、未反応化学修飾分子によりNoria空洞が塞がれ、良好なガス分離特性を示さなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球規模の気候変動への対応のため、工場から排出されるCO2ガスを収集し、これを水素還元して有機原材料のメタノールへと誘導する技術の確立が求められている。これには、排ガスおよび水素・CO2等の混合ガスからのCO2ガスの濃縮・単離が必要となる。分離膜によるCO2ガス分離は多くの利点をもつが、特に、高透過性と高分離性を併せもつ分離膜によるCO2ガス分離技術は未だ見出されておらず、開発が急務である。
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