研究課題/領域番号 |
19K12392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
多川 正 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (30390511)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 染色排水 / 脱色 / 嫌気性DHS / 共代謝 / 共代謝反応 / 次世代シーケンサー / Chloroflexi門 / DHS / 嫌気性+好気性 / 二相式 / 凝集沈殿 / 好気性処理 / 嫌気性処理 / 嫌気性廃水処理 / 生物処理 / ゼロエミッション |
研究開始時の研究の概要 |
高濃度染料実廃水(pH:10程度, CODcr: 2,000mg/L, 全窒素: 230mg/L, 着色度: 4,000~6,000)を対象とした、エアレーションが不要な、凝集処理機能を生物処理装置内に持たせた新規廃水処理装置の実証運転を行う。 到達目標として、CODcr除去率90%以上、全窒素除去率70%以上、着色度300以下)、余剰汚泥発生量0.1以下(対除去CODcr量)といった、環境負荷を低減し、かつ処理水を灌漑等の再生水として利用できるレベルにまで処理を行う。廃水処理装置の実装置化の検証を行い、特に規制が新規に設置された途上国における廃水処理装置として普及させる基礎データを収集する。
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研究成果の概要 |
無曝気・低コストである嫌気性微生物による染色排水の脱色システムの開発を目的とし、嫌気性DHSリアクター内に凝集処理を同時に行う機能を組み込み、タイの染色工場において実際に使用されている6色染色原排水を用いた連続通水試験を実施したが、顕著な脱色効果は見られなかった。そこて回分式にて染料を供給した培養系を構築した結果、でんぷん+6色染料の嫌気性培養条件が着色度600程度から300程度まで低減可能なことが判明した。追加研究にて共代謝基質を添加した脱色試験を実施し、タイ紅茶の抽出液は排水基準にて定められているCODcrの濃度上昇を抑えながら、脱色を促進する効果が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色排水処理は先進国では活性汚泥、凝集沈殿、オゾン+活性炭処理などで脱色が十分に行われるが、途上国での適応は設備が複雑かつ高額であるため、適応は難しく、現状では大幅に着色した処理水が河川や海に放流され、観光地などでは景観など問題になっている。本研究では簡便な嫌気性DHSリアクター1台に腐葉土や嫌気性消化汚泥にて培養した汚泥を用いて、紅茶の葉の廃棄物から抽出した排水を一部添加することにより、嫌気性微生物の共代謝反応により脱色が促進されることをつきとめた。社会的意義として、脱色の簡便なシステムの開発、廃棄物の有効利用など、途上国において導入のしやすい技術が開発された点であると言える。
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